今年も8月9日、10日、11日に行われた

370年余りも続く伝統の祭り、江差姥神大神宮渡御祭(えさし うばがみだいじんぐうとぎょさい)。


この時期には遠くに住む出身者も必ず帰って来るため、人口が倍以上にもなるといわれています。


たしかに、観光客の多さよりも13もの山車(やま)をひく人の多さに圧倒されました。





町の子供たちもみんな参加していました。







昼から夜まで。

子供たちも3日間、一日中、どっぷりとお祭りにかかわります。


山車に乗り、太鼓を叩き、笛を吹き、山車をひく…。

成長に応じて、さまざまな役割でお祭りにかかわっていきます。


”祭りの時には必ず町に帰ってくる―”


物心がつくかつかないかの小さな頃からお祭りにかかわり続けているから、お囃子も唄もDNAに刻みこまれるのですね。

子供たちが周りのお兄ちゃん、お姉ちゃんたちと一緒に楽しそうに踊り続ける姿を見て、少しだけわかった気がしました。




山車をひく一行は、町を練り歩く途中、民家に立ち寄ります。


その様子も目を見張るものがありましたー。







「結構なお祭りで~」と声をかけ、民家に立ち寄る 頭取(総責任者)をはじめとした大人のみなさん。


家内安全などを祈り ”きりごえ” と呼ばれる唄を披露することも。

この ”きりごえ” は ニシン漁などで働いた男たち、ヤン衆の文化がルーツとのこと。


これがまた、いい声で、こぶしがきいていて、みなさん本当にかっこいい!

初めて聞いた時には、びっくりしすぎて、「この世のものじゃない!」なんて思ったほどでした。



そして、それぞれの家では、来てくれたみなさんをもてなそうと、

豪華なお料理とお酒を用意しているのです。


オードブルのほか、クジラ肉を使った料理にあんこうのともあえ、煮物… などなど。

代々、その家で引き継がれてきた味が食卓に並ぶそうです。


”おもてなしの心” を食卓にみました。






夜。


神輿の宿入れ(しゅくいれ) を見ました。


一日の終わりに、神輿を神殿に納めるのです。





火で参道をはき浄めます。







一気に参道を駆け上がりますが、1度では達成できず、

何度も何度も行き来を繰り返します。







まさに神々しい光景。


また、何度も何度も行き来を繰り返し、神殿に納めようとするその姿からは熱気がほとばしっていました。









北前船での交易を通して入ってきた祇園の祭り文化と

ニシン漁を支えた働く男たち、 ヤン衆 の文化とが混ざり合ってできたというこの祭り。



あっという間に 魂をわし掴みにされました―。