解散したサーカスの屋台から
にぎやかなリズムと喝采が聞こえる
あの娘はこれから どこへ行くのだろう?
俺の想いをそっとポケットにタバコとともにつっこみ
舞台のそでから彼らの宴を覗く
ボール乗りのピエロは西で漁師になるらしい
連れて行くには大きすぎるあの象はどこへやる?
あの娘はそっと慈しんでえさをやる 手品のネタの小鳩たちに
パーティは終わり
俺はもう通えない
パーティは終わり
サーカスは異邦に散る
パーティは終わり
でも人はまだ命紡ぎ 先へと進むのさ
パーティが終わっても ゴロゴロと屋台は売られ
あの娘は 笑顔で爪先立つのさ
俺は知ってる
オペラ座にあの娘がいたことを
花束をうけてトウで立っていたことを
それでも 今のくらしに文句ひとつつけやしない
笑顔で 彼らを見送るのさ
パーティは終わり サーカスも終わり
次は何がくるのかと
ワクワクした日が続くのさ
白い鳩Ⅰ 89mm×124mm 渡邉裕美作 水彩画 水彩紙