木陰で憩うといい
涼しいよ

君は僕らに勧めた
無邪気に






ああ
そうだね

葉群に解き漉かれた柔らかい光は
夏の棘を溶かして丸める

きっと木陰は
他の誰よりも優しいのだろう






でも
木陰で憩うことができるのは
君たちだけさ

僕らは木々だ
木陰を作り出せても
自ら憩うことはできない






誰が
僕を休ませてくれるのだろう

刃のような強光
万物を焼き尽くそうとする炎暑
無慈悲な真夏の鞭打ちから
誰が僕を守ってくれるのだろう

君は
僕らの木陰になれるのかい?





 木陰が涼しくて快適なのは真夏だけ。
 それ以外の時には、木陰は単なる日陰になります。
 木陰を探し求めることも、誰かのために木陰をこさえようともしないのです。

 ですから、わたしは希(こいねが)うことにします。
 木陰に依らずとも酷暑をしのげる七月になりますように。




 夏に深く削り込まれた影の黒さは
  打ち水が乾いても変わらない






The Shades Of Gloria by Gerry O'Beirne


《 ぽ ち 》
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