「まだがんばるの?」
「諦めてないわ! いつか、白馬の王子さまがわたしを迎えに来るのよ!」

「少しシワがよってきたような……」
「アンチエイジングできないのがくやしいわ」

「色も黒ずんできたけど」
「ひ、日焼けよ! 老化じゃないわ」

「同胞が力尽きてあちこちに落ちてるけど」
「……」




(ナナミノキ)


「色が悪いなあ。いかにもーな売れ残りね」
「ほっといてよ!」





(カラスウリ)


「ラスト一個がなぜ売れない? 毒入りか?」
「ほっといてよ!」





(アオキ)


「試食すら食べ残されるって、どんだけー?」
「ほっといてよ!」





(アメリカヒイラギモチ)


「店頭に出しすぎよ。目がちかちかするわ」
「ほっといてよ!」





(アリドオシ)


「倉庫から出しなよ。薄暗くて存在感ゼロ」
「ほっといてよ!」




「ほっといてと言われなくても放置プレイだからいいんだけど、白馬の王子さまなんか来そうにないわね」
「……うう」



(^^;;



 冬の赤い実たちもだいぶ減ってきました。いつもはぎりぎりまで売れ残るナンテンも今年は姿を消すのが早かったですし、センリョウはほぼ完売。超苦いモチノキ系も、少しずつ減りつつあります。味がなくてタネばかりのマンリョウの実はまだいっぱい残っていますけどね。

 王子さま待ちの果実たち。
 モチノキ一族のナナミノキとアメリカヒイラギモチは、味が味ですのでそうそう売れません。まだしばらくネタに出来そうです。(笑
 カラスウリもだいぶ減ってはいるんですが、まだ忘れられているのがぽつんとぶら下がってますね。
 アリドオシですが、開けた場所に生えている個体の実はすでに完売。画像のは木が隠れるようにして生えているので、小鳥たちの目に止まりにくいのでしょう。アリドオシ以上に背が低いヤブコウジなども同様で、売れ行きにばらつきがあります。
 アオキはこれでもかと目立つんですが、鳥が口にするには大きすぎる上に味がよくないので少しずつしか減りません。生る量がぽちっとですから、ゆっくりはけていけばそれでいいのでしょう。

 果実の赤が減ってくれば、代わりにイヌガシやユズリハ、ハナノキなどの早春の小さな紅花が咲き継がれていくようになります。




  落椿云ふ 考え事は捨てたまへ





Remain by G-Freak Factory


《 ぽ ち 》
 ええやんかーと思われた方は、どうぞひとぽちお願いいたしまする。(^^)/


にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ
にほんブログ村