季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)

◇ ◇ ◇


 予感は予感に過ぎない。当たることもあれば外れることもある。だが実のところ、外れましたごめんなさいでは済まないことが多々ある。
 だから、少しずつでも予感を確信に変えていこうと思う。もちろん確信ですら外れることはある。その場合、外れたことを仕方ないでは済まさない。確信が実現に着実につながるよう、曖昧さの隙間を丁寧に埋めていかなければならないのだ。

 ああ、それなのに。
 隙間は埋まらずにほころんでゆく。予感だけを膨らませながら。





(カンヒザクラ)


「やっとここまで来たのに小休止なの?」
「一気に行きたいところだがそうはいかない」

「えー? どしてー?」
「向こうでヒヨのばかやろうが、虎視眈々と俺たちを狙ってるんだよ」





(ツツジ)


「まだ早くない?」
「いや、そろそろ準備しないと間に合わない」

「慌てなくていいのに」
「赤いのが咲き出すと、白の俺たちはその他大勢になっちまうんだよ」





(アオキ)


「ぶつぶつが気持ち悪いんですけど」
「そう言うなよ。準備期間はこんなもんなんだ」

「咲いたらきれいになるの?」
「微妙。てか、誰も俺たちなんか見ないし」





(サンシュユ)


「もう咲いたの?」
「まだだよ。あと少しだけど」

「咲いてるように見えるけど」
「咲いてもこんな感じだからね」





 硬かった蕾が一日にして全開になるとは限らない。
 少しずつ緩むからこそ、それは予感として膨らむのだ。
 その予感を実現に結びつけるためには、あと少しばかり時が要る。

 あと少し……お待ちください。




  蕊(しべ)だけになりし梅花も花のうち





Prepare To Energize by Torch Song


《 ぽ ち 》
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