「なんかさあ。影のくせに、やたらにかっこいいやつがいるんだよな」
「へえー」





「そうしたらさあ。実体の俺なんか出番ないじゃん」
「自分から影以下になってどうすんだあああっ!」








「俺、影にはなりたくないから、しゃきっ、ぱりっとしてるつもりなんだけどさ」
「してるぞ。痛いくらいだ」



(ニオイシュロラン)



「じゃあさ。こいつ、なんの影?」
「根性曲がってるな……」



(ニオイシュロラン)






「俺さ。実物より影を大きく見せることができるんだぜ! すげえだろ!」
「別人の影だってば」



(サザンカ)





「水にだって、しゃきっとした影が作れるんだぜ! すげえだろ!」
「だから、別人の影だってば」







「俺もぼんやりしてるけど、影のこいつもぼんやりしてるな
「いいんちゃう? 天気もぼんやりだし」







 影に語らせると、いつまでも話を紡ぎ続ける。
 それはそれで楽しいが、いつの間にか自分まで影に組み込まれそうになってはっと我に返る。ああ、そうだ。もうとっくに日没だったな。

 さぶ……。




  三角コーンが影にも角生やす





Shadows On The Wall by Groove Nazar


《 ぽ ち 》
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