季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)

◇ ◇ ◇


「ぼくら、捨てられたんだよな」
「いや、危機を逃れたのかもしれないぞ」
「それはどうでもいいけど。これからどうすんの?」
「どうしようもないでしょ。せいぜいひなたぼっこくらいしかできないし」
「捜索隊は出動しないの?」
「残党狩りは来るかもよ」
「……」
「……」







「我々の隊は本体から見捨てられた。なんたること……」
「てか、こうなったのって、隊長が方向音痴だからでしょ」
「そーそー。俺たちが止めるのも聞かずに、ずんずん一人で先に行っちゃうから」
「うるさいっ! 敵襲に備え、固まって行動するように」
「いいけど、隊長を守る陣形にはしないからねー」
「俺たち置いてさっさと行っちゃうやつなんか守れないしー」
「くすん」







「俺たちは本隊だから安心だな。絶対に見捨てられることはない。幸せだ」
「は? あんたらもおめでたいわね」
「え?」
「ここに残るのは売れ残りだけよ。人気のある順に旅立つの。最後まで残っちゃうのは、結局見捨てられたってことよ」
「そ、そんなあ……って、誰に見捨てられるんだ?」
「鳥よ」







 順番の前後はあっても、結局別々の道を行くのだ。
 それを旅立ちと呼ぶか、運命のいたずらと呼ぶかの違いに過ぎない。

 お? この言い回し、なんかかっこいいな。どっかにメモしとこう。ええと、鉛筆、鉛筆……。ずいぶんぶっとい鉛筆だな。勝手に動くし。あ、先が割れちゃった。で、俺の方に向かって来るぞ。

 ちょ、ちょっと!
 やめろおおおおおっ!

 ぱく。

「かあ」



(^^;;



 モチノキの赤い実。
 鳥が食い荒らしたあとか、風でちぎれたのか、地面にもいっぱい散らばっています。




  迷いなく飴を手に取る迷子かな





Stranded by Airplay


《 ぽ ち 》
 ええやんかーと思われた方は、どうぞひとぽちお願いいたしまする。(^^)/


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