冬に適温を作り出せる人間と違い、多くの生き物にとっては冬の寒さをどうしのぐかが生き残るための重要課題になります。特に自力で発熱できない変温動物の虫たちは、どこで冬を越すかが一大事。温度変化の小さい土の中に潜り込むものが結構多いんですが、土を掘るのは小さな虫にとって重労働なんですよね。
もっと手っ取り早く、適当な隙間に潜り込んで雨風をしのぐという連中もよく見られます。隠れ場所は枯れ葉や樹皮の裏、石の下などですね。隙間にひょいと入るだけですから出入りは容易です。容易な分、布団が突然無くなってしまうリスクもありますけどね。(^^;;
で。隙間に隠れる連中は、潜り込む布団がどういう性質なのかを必ずしも考慮しないんです。そのせいで、こういう事態が起こります。(^^;;
虫が潜り込んだ松かさはスラッシュマツというアメリカ原産のマツのもの。松かさはとても大きく、長さが10センチ以上あります。鱗片が開いたものはとても見栄えがするので、リースやオブジェによく使われます。
大きくても松かさは松かさ。晴雨計の代わりに使われるくらいで、松かさの鱗片は濡れると閉じ、よく乾くと開くんです。画像の虫たちは、乾いて開いている松かさに潜り込み、こりゃあいい冬越しの場所が見つかったと喜んだでしょうね。でも、一雨降ると松かさはあっという間に閉まっちゃうんです。
なんともおまぬけ
(^^;;
ただ、このあとの運命は虫の種類によって違いました。
上に挟まっているツヤアオカメムシは甲虫類よりは体が柔らかいんです。平べったい形ですから隙間には潜り込みやすいんですが、強い圧力に耐えるようにはできていません。松かさが開くのを待てずに力尽きてしまいました。
一方、下のウバタマムシはフルアーマー。甲虫(こうちゅう)の名は伊達ではありません。かっちかちの装甲で圧力に耐え切り、乾いて開き始めた松かさから無事脱出しました、
やれやれ、酷い目にあったって感じですね。(^^;;
◇ ◇ ◇
このケースだけ見れば、ツヤアオカメムシがかわいそうだなあという印象になるんですが。みなさんご存知のように昨年はこやつが大発生してえらいことになりました。今でも、枯れ葉や樹皮の裏にこいつらが潜んでいるのを普通に見ることができます。
今年は暖冬予想なので、生き残る個体がとても多くなるでしょうね。今から夏が憂鬱です。果物を傷つける農業害虫ですし、とんでもなくクサイので。(-_-;;
そんなん知らんわ……だって。
ちぇ。(^^;;
隠れ棲むものばかりなり永田町
触らなくてもクサい連中ばかりだし。やれやれ。
Hideaway by Grace VanderWaal
《 ぽ ち 》
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