炎暑を赤く彩ってくれていたノウゼンカズラの花も、ぼちぼちピークアウトしてきたようです。
ノウゼンカズラの「のうぜん」というのはどういう意味かなあと思って調べてみたんですが、オリジナルから激しく変容しているんですね。オリジナルは凌霄花。凌ぐの『凌』は音読みでリョウですし、空を意味する『霄』の音読みはショウ。繋げれば『リョウショウカ』ですから、オリジナルの欠片も残っていません。理不尽な命名の多い植物和名の中でも極め付けに理不尽と言っていいかも。
ともあれ。熱帯産のつる植物でありながらおそろしく生命力が強く、冬は完全に枯れ果てているのに気温の上昇とともに爆発的につるを伸ばしてがんがん花を上げ、まさに空を凌ぐ勢いで茂ります。
こうしたたくましさはノウゼンカズラだけでなく、ノウゼンカズラ科の植物全般に共通するようで、ノウゼンカズラの仲間には丈夫で育てやすいものが多いんです。
我が家にも、種子から育てた二十年選手がぞろっと。ロウソクノキ、フクベノキ、ソーセージノキ、ステレオスペルマム、パンドレア……みんな暑さ寒さにかなり強く、タフですね。
そうそう。最近目にするノウゼンカズラは花の色が濃いなあと思っていたら、どうも別種であるアメリカノウゼンカズラのようです。ノウゼンカズラは花色がオレンジ色に近い赤なのに対し、アメリカノウゼンカズラはずっと赤みが強いんです。花はノウゼンカズラの方が大きいんですけどね。萼の色が淡緑色なのがノウゼンカズラで、花と同色なのがアメリカノウゼンカズラなので、慣れればすぐに識別できます。
オリジナルもアメリカノウゼンも虫に大人気なのは共通で、中でもアリや蜂類を強く惹きつけるようです。虫が写らないように写真を撮るのは結構大変。(^^;;
まあ、路面に垂れるくらい蜜を出しますからねえ。甘党にはたまんないのでしょう。(笑
◇ ◇ ◇
ノウゼンカズラの赤が少なくなれば、そろそろ夏も名残。
早くそうなってくれればいいなあと半ば祈りながら、咲き残りのノウゼンカズラの花を見上げています。
融け落ちた熱射が花か のうぜんか
The Trumpet Vine by Kate Wolf
《 ぽ ち 》
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