カニクサはシダの仲間。シダでは珍しいつる植物ですが、決して珍しい植物ではありません。街中でもしばしば見かけます。木に着生するノキシノブや雑草として悪名高いスギナなどと並んで、もっともよく見かけるシダの一つだと思います。でも、その割には知名度がないんですよ。なぜか。

 彼らの姿が一定していないからなんです。

 裂片の大きさや切れ込みの深さ、葉形、色調……ものすごく変異が大きいんです。わざわざ探して比べなくても、カニクサで検索して画像一覧を見比べていただければすぐにわかるかと。(^^;;

 姿形の変異だけでも厄介なんですが、きゃつらの季節変化もかーなりルーズ。一応は夏緑性のシダということになっていますが、真冬でも緑のやつが結構残っているんです。

 ということで、カニクサのいろいろな姿を順不同で並べてみました。














 枯れているものが冬の画像で、緑のものは夏〜秋のものというのはすぐ見当がつくと思いますが、緑のと枯れているのとで、それぞれの時期的前後がわかるでしょうか? 実態は、みなさんがこっちが先かなと思う順序と逆になっているかもしれません。

 カニクサはしたたかです。つるのように見えるのは一枚の葉っぱ。つまり葉っぱを伸ばしていく間に、条件のいいところでは茂らせ、悪いところでは手を抜くのかなーと。作った葉っぱをどれくらい保たせるかも、その場所の環境によって変える……そうすることで、できるだけ長く稼ぎを得るという戦略なのでしょう。

 自分の形を自在に作り、自身の使い方を最適化する。本来思考力を備えている人間の方がずっと柔軟にできるはず……なんですが。本当にそうでしょうか。
 肝心の思考力がだいぶ硬化してきたどたまを撫でながら。苦笑いを繰り返している、今日この頃です。




  梅を観る 老いも若きも花は同じ





The Longing Song by Jen Cloher


《 ぽ ち 》
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