まだ青い。
 そんなものに手を出してどうするんだ。
 もう少し待てば真価が発揮されるのに。

 まだ青いうちは、使い物になんかならないぞ。





(カキ)


 青柿を食った大馬鹿者がいる。きっと、口があらぬ方向にひん曲がったことだろう。

 口ではなく嘴が曲がったやつが食ったのかもしれないが、それにしてもご苦労なことだ。





(カンレンボクの果実)


 バナナを青いうちに食うだって? 固くて青臭いだけで、うまくもなんともないぞ。

 もっとも、このバナナもどきは黄色く熟しても食えたもんじゃないが。てか、有毒だし。





(ヌルデの五倍子(ふし))


 青くても黒くなっても不気味なのは変わらないんだが、青いうちは品質がよくないそうだ。

 まあ、こいつをお歯黒染めに使うことももうあるまい。こいつを使わなくても、腹は黒くなるし。





(ヤブガラシ)


 黒葡萄を青いうちに食ったって、固くて酸っぱいだけだ。もっとも、こいつは熟しても渋くて食えたもんじゃないがな。

 世の中、ちっとも甘くない。辛いだけだ。




 ああ、今はどれもちゃんと熟してます。(笑

 青柿にチャレンジする鳥がいるんだなあと、ちょっとびっくりしました。
 カンレンボクのバナナみたいな果実はおもしろい形なんですが、あっさりばらばらになってしまうので、オーナメントにはちょっと使えない感じ。
 ヌルデの虫こぶとして有名な五倍子には高濃度のタンニンが含まれているので、草木染めなどに今でも使われます。黒を出すのに重宝するみたいですね。ただ、煮出しの時の臭いがかなりきついみたいで……。
 ヤブガラシの青い実は黒熟したものよりもっと不味いので、誰も手を出しません。黒いのも不味いんですが、鳥は食べるようです。ご苦労さん。

◇ ◇ ◇

 青かったものも、いつかはその青を失います。
 ですが、青いままならば本来の性質を活かしきれないで終わってしまうわけで。永遠に青いと自称するコドモオトナはいかがなものかなあと思ったり、思わなかったり。

 まあ、いいけどさ。(^^;;




  猫までも食はぬ時代か青魚

 無季句。




Still Blue by Cypress


《 ぽ ち 》
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