天を衝く気概はある
そして
実際に天を衝いているつもりだ

でも
衝き上げた腕はどうしても天に届かない
天が俺を押し潰そうとのしかかる

俺は叫ぶ
差し上げた腕は
赦しを乞うために伸ばしているんじゃない!
助けを求めるために伸ばしているんじゃない!

俺が俺であるために
これでもかと衝き上げているんだ





囲まれて屈さず


(クリーピングタイムとコスズメガヤ)


洗われて流れず


(イ)


影をも鍛え


(オギ)


宙を断ちながら


(ホソムギ)


総じて抗う


(ツボミオオバコ)




 上長成長し続ける樹木と違って、草本のサイズは大きいものでも知れています。時間と資源を使って自分を大きくするより競争相手の少ない場所に移動していくものが多いんです。多産性と機動力を活かした作戦ですね。

 そのような植物は、限られた占有スペースで効率よく光を確保するため水平方向より鉛直方向に茎葉を並べようとします。
 典型がイネ科やカヤツリグサ科の植物。だらしなく横にでろんでろんと伸びていくものは少ないですよね。細く長い葉を立てて並べることは、限られたスペースで効率よく光を得るために必須なんです。
 花穂を立てるのも同じ理由かと。種子を広範囲にばらまくには種子をできるだけ上方に作った方が効率がいいですから。

 天を衝くと言っても生きる上で合理的に定まった形。気概も懇願もなく、淡々と『唯在る』のでしょう。




  青葦や屈みて仰ぐ槍衾





Towards The Sun by Alexi Murdoch


《 ぽ ち 》
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