本格的に寒くなりましたね。特に日が落ちてからは、ぐんと底冷えするようになってきました。
 寒い夜には、鍋を囲むのが一番。そして今年は心強いことに、鍋の友がたくさん顔を出してくれてます。

 それは何か? ええ。天然のきのこたちです。




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 エノキタケ

 びん栽培のもやしえのきしか見たことがない人には、どうしてもこれがエノキタケだと信じてもらえません。
 ですが、東北、北海道では雪の降り始めるシーズンに発生が最盛期を迎えるため、『雪の下』の呼称でよく採取されます。培地のおが屑や米ぬかの味が出てしまうびん栽培のものと違って、天然のエノキタケは色も味も濃く、香りが強く、ぬめりがあって、出汁がよく出ます。
 味噌汁や煮物、鍋の具材としてはぴったり。わたしが一番好きなきのこかもしれません。





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 シイタケ

 シイタケは、野生と言っても原木栽培の市販品とそれほど変わりません。違うのは、サイズでしょう。大きくなったものだと、直径が30センチを超すこともあります。でかいのを切らずにそのままバター焼きにして、醤油を垂らしてステーキみたいにして食す。

 うう、贅沢です。カロリーないし。(爆





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 ヒラタケ

 栽培キノコの中では老舗で、しいたけの他に市販されているきのこといえば、昔はヒラタケでした。今はその地位をブナシメジやマイタケ、エリンギに譲ってしまい、ヒラタケ自体の流通量は激減しているように思います。
 でも、癖が全くありませんし、汁の味がよく染みるので煮物にとても合うキノコだと思います。ヒラタケもエノキタケと同じで、秋遅くから初冬にかけて発生する、いわゆる冬きのこ。これからが旬になりますね。




 寒くなってから発生し始めるきのこのいいところは、虫がつきにくいこと。そして、間違えやすい毒きのこが少ないことです。広葉樹の切り株や朽木は街中にも結構ありますので、なんか出てないかなーと覗いてみるのもまた一興かと。(^^)

 高さ的にわんちゃんのしょんべんコースになってることが多いってのが、いやあんだけど。(^^;;




  炊くまへの寒茸笊(ざる)に寝静まる



 寒茸は、ヒラタケの別名ですね。きのこは秋の季語なんですが、わたしはそういう大雑把な区分けがどうも好きになれません。

 きのこの発生時期は種類によって全部違うんですよ。ハルシメジやアミガサタケのように春に出るもの、ベニタケ類のような夏きのこ、エノキタケやヒラタケのように冬に出るもの。それぞれに、ちゃんと季節を主張してます。

 拙句の季語は寒茸。季節はもちろん冬です。





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