去年試しに作ってみて意外においしかったので、今年も紅茶作りに挑戦してみました。



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 野良猫ならぬ野良茶の木ですね。栽培ものではないので、甘みやコクは期待できませんが、お試しで使うには充分です。新しく伸びた芽の三枚目の葉の直下くらいで摘み取ります。




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 左が摘んだばかり。右はそれを一日くらい置いて萎れさせたものです。緑茶なら摘んですぐに加工に入るんですが、紅茶の場合は少し萎れさせた方が青臭さが消えて仕上がりがよくなるようです。ウィルティングという工程ですね。




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 包丁でみじん切りにして、それを生のまま揉みます。蒸してから揉む緑茶と違い、親の仇に遭ったみたいにぐりぐり揉む必要はありませんが、よく揉んだ方が発酵が均一になるようです。




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 揉んだ葉をボウルや小鉢などに入れて、微温湯(30~40度くらい)を張った鍋に浮かべ、蓋をして発酵に入ります。お湯の温度が高すぎると酵素が失活して発酵しませんので、あくまでも微温湯で。
 この時点ではまだ緑色ですね。時々攪拌し、発酵温度が下がり過ぎないよう、張ったお湯の温度を調整します。




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 発酵が進むと、徐々に緑色が褪せて褐色を帯びてきます。緑色のままで頑張っているのは桜の葉。この時点では桜餅の匂いも漂っていたんですが、残念ながら最後の乾燥工程の時に、匂いが抜けてしまいました。別々に作って最後に混ぜた方が良かったな。(^^;;




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 発酵が終わるまで、だいたい二時間から数時間というところ。緑色が完全に抜けて葉が褐色に変わり、紅茶の匂いがふんわり漂います。この段階で、もう一度葉の刻みを徹底しておくと、この後の乾燥工程がいくらか楽になります。




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 最後に乾燥。焙煎ではありません。ここで火を入れすぎて焙煎香を付けてしまうと台無しです。ぎりぎりまで火を落とし、ごく弱火でかき混ぜながら乾かします。
 褐色だった葉は、乾燥の間に縮んで黒くなり、よく見る紅茶の形になります。葉はすぐ乾くんですが、茎が乾くまでにはかなり時間がかかりますので、均一に仕上げたければ硬い茎を取り除いてから使うといいかもしれません。




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 完成品です。紅茶用の茶葉ではありませんし、発酵の工程もどえりゃあアバウトなので、仕上がりはかなりばらつきますが、ディンブラのような香気の紅茶に仕上がりました。




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 淹れてみました。思ったよりも香りが強く、水色も濃いめ。二煎めもしっかり出ます。苦味、渋みは穏やかですが、輪郭ははっきりしています。まあまあの出来でしょう。(^^)

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 最近は、茶摘み体験などで生茶葉を入手出来る機会も増えていますし、街路の植え込みなどに茶樹が使われていることもあります。ほんの一掴みの新芽でも、一煎分くらいのお茶は作れます。

 どうか連休中の余興の一つとして、トライなさってみてください。(^^)/




  餉に飽ひて新茶を揚げて塩を振る

 茶葉のてんぷらもおいしいですね。(^^)




Tea For Steve by Benny Greb + Pete Lockett