年明けして三が日も過ぎましたので、ぼちぼちエンジンを回して行こうと思います。

 と、いうことで。まずはえとわで試運転。(^m^)
 今年最初のサブテーマは、『さっさのさ』です。

 『さ』っていうのは軽い擦過音。語の頭にあっても、尻尾に付いても、なんとなくニュアンスが軽くなり、スピード感が出ますね。そんな軽妙なイメージをまとった『さ』付き重複表現の言葉を七つタイトルにして、お話を作ってみました。

 使わなかったボツ単語で例を出すと。
 くさくさ、ださださ、ごさごさ……ってとこですね。(^^)

 でも、タイトルの響きに騙されてはいけません。わたしは直球を投げませんので、いろんなひねりが入ってます。みなさんがうっかり読んでしまって、なんじゃこりゃあ! と思った時には、わたしはあらさっさのさ。

 ってなことで、『さっさのさ』なのでございます。(^m^)



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 語感というのは、思ったよりも強くイメージをこしらえてしまいます。例えば……。

「どういうことだ?」

「どういうことよ?」

「どういうことさ?」

 『さ』で終わる最後の文。あなたは、この文にものすごく強い非難のニュアンスを感じますか?
 相手を詰問するこの一文ですら、語尾の一字が何かによって、読み手、聞き手の中でのイメージががらっと変わってしまうんですよね。逆に言えば、そういう文末、文頭の語句を工夫することで、相手に植え付ける印象をコントロールしたり、自分の生の感情を調整することが出来るんじゃないかと。

 わざわざ言うまでもなく、わたしたちは無意識のうちにそういうのを調整してるんですけどね。でも、もう少しだけ語感の持ってるニュアンスを意識すると、それをもっと有効活用出来るんじゃないかなあと思ったりします。



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 最後に、語感の変化を楽しむちょっとしたお遊びを。
 童謡で、『お猿のかごや』というのがございます。一番はこういう歌詞ですね。

 えーっさえーっさ えっさほいさっさ
 お猿のかごやだ ほいさっさ
 日暮れの山道 細い道
 小田原ぢょうちんぶら下げて
 それ やっとこどっこいほいさっさ
 ほーいほいほい ほいさっさ



 これの『さ』と『ち』。鏡文字ですから、入れ替えてしまいましょう。


 エーッチエーッチ エッチほいちっち
 落ちるのか ゴヤだ ほいちっち
 日暮れの山ミサ 細いミサ
 小田原嬢さんぶらチゲて
 それ やっとこどっこいほいちっち
 ほーいほいほい ほいちっち



 内容がファニーかつ黒っぽくなったところで。
 お後がよろしいようで。(^m^)



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  おめでたい顔を写しし鏡割り


 無季句とするか新年の句とするかで、がらっとニュアンスが変わります。

 恵比寿顔のおじさんが、槌で鏡餅を叩く瞬間を写真に撮る。
 自分の馬鹿面を写した鏡に腹を立てて、その鏡を叩き割る。

『めでたい』にも『鏡割り』にも、意味が複数ありますからねえ。(^m^)





Aquarela Do Brasil by Bossa Bossa