「俺が影でいることは、是か非か?」
「どちらでもない。おまえは影であり、同時にその主でもある」
「俺は、そのどちらになるかを決めねばならぬのか?」
「その要はない。おまえが影か否かを見抜くことは誰にも出来ん。それだけよ」
「俺は、影として仕えなくてもよいということか?」
「おまえが仕えるべき主はすでに影だ。影に影を重ねたところで、何の意味もなかろう?」
「……」
「誰かに影を映されちゃってさあ」
「あんたに見てもらえないの?」
「そう。わたしと違うものに見られちゃうの」
「めんどいねー」
「いや、どんな影が映ってもいいんだけどさ。それがころころ変わるのは困るー」
「ころころ変わるあんたと区別が付かんてことでしょ?」
「そう」
「ところでさ。あんたって、影? そうじゃないの?」
「分かんない」
少し前のカラスウリの画像を消化しておきます。
ああ、今はもう、彼らは影すら残っておりません。
遠影(とおかげ)や手にした枯れ穂吾を突く
Shadow Of The Day by Linkin Park