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*** めぇめぇ戦記 ひとやすみ 2 ***



月曜に予兆、火曜日に開戦し、水曜日は集中砲火を受け。
ようちゃんも精一杯応戦してるんですが、展開の速さと激し
さが想定をはるかにオーバーしていて、事態をこなし切れて
いません。

たかが電話での応対じゃないか。
まあ、そうですね。それが通常のクレーム処理ならば、ね。(^^;;

でも、ようちゃんのところにかかってくるのは、明らかによ
うちゃん自身を標的にした攻撃なんですよ。
商品や社に対するクレームじゃないんです。

あなたなら、それに耐えることが出来ますか?
あなた自身を標的にした嫌がらせで、あなたには嫌がらせを
受ける覚えがない。しかもあなたは職務として攻撃を無視出
来ない。
応対し、記録を残し、次にどうするかを考えなければならな
い。職務放棄して逃げるわけにはいかないんです。
その上、誰も信用できる味方がいない。

それは……間違いなく拷問だと思います。
ようちゃんが、吐くほどの強烈なストレスを抱え込んだのは、
無理からぬことなんですよ。
それでなくてもようちゃんの属性は羊。
元々は、ことなかれが処世術の平和主義者なんですから。


           -=*=-


さて。
当たり前ですが、テレルームに缶詰のままじゃあ何も情報が
入ってきません。
社内の情報源である白田さんとの関係が途絶寸前ですから、
情報ソースを外に求めないと、ようちゃんは身動き出来なく
なってしまいます

推論を組み立てるのに必要なファクト(事実)が、どうして
も欲しい。
突き動かされるように、ようちゃんは打って出ることを決意
しました。
それはあくまでも情報収集のための偵察で、誰かに攻撃を仕
掛けることが目的ではありません。
社長にも事前にそう説明していますね。

足で地道にファクトを集める。
そのためにようちゃんが社長からゲット出来たのは、一日。
たった一日です。

この後第十三章から第十九章まで、ようちゃんがどこかに足
を向け何か行動を起こす度に、どんどん状況が変わって行き
ます。
そして戦果をもとにようちゃんが推論を練り直し、固めてい
きます。

新たな人物の登場、新事実の判明、そしてようちゃんがそれ
をもとにどういう推論を組み立てるか。
中盤は、このお話を大きく動かす遊撃編になります。


           -=*=-


ちょい、こぼれ話を。

第九章で、ようちゃんがファクトを集めるためにネット検索
を使いました。
特別変わったことをしたわけではなく、わたしたちでもすぐ
に使える方法ですね。
キーワードや名前をグーグルのような検索エンジンに打ち込
んで、リターン一発。
すると、ぞろぞろ検索結果が出てきます。

とても便利な反面、自分の知らないところで勝手に個人情報
がうろうろしていることに怖さを感じるかもしれません。

よく言われることですが、どこかに公開されてしまった情報
を完全に消去するのは困難です。良くも悪くもずっと残って
しまうんです。
デジタルタトゥー(デジタルの刺青)なんていう言い方もあ
りますね。

でもね、一切ネットアクセスをしなくても、個人情報はわた
したちの知らない間にどこかで電子網に乗るんですよ。
# 例のベネッセの情報漏洩の件を引き合いに出すまでもなく、
# 今はそういう世の中なわけで。(^^;;
ですから、ネットで自己情報をオープンにすることを徒らに
恐れ過ぎるのもどうかなあと思うわけです。

自分の情報を出さないことでコントロールするやり方、蛇口
を閉める方法が一方であり。
もう一方で、出した情報のクオリティを自力でコントロール
するというやり方、蛇口をきちんと開ける方法があります。
どちらが正しいということではなく、それを上手に使い分け
ようよっていうことかと。(^^)

ちなみに、わたしはフェイスブックを始めるつもりはありま
せん。
プライベートを明かしたくないと言うより、少し匿名性(ア
ノニミティ)があった方が、のびのびといろんなことを書け
るからです。

誤解して欲しくないことが一つ。
匿名であることは、わたしにとって必須ではありません。
というか、完全に匿名にすることなんか不可能なんです。

ハンドル(あだ名、仮名)を使おうが、捨てアドを使おうが、
誰かが突き止めようと思えば全ての素性は明かされてしまい
ますから。

ネットは仮想の世界? とんでもございません。どこまでも
現実ですよ。ネットが別世界だと思ってはいけません。(^^;;
だからわたしは、バーシャルであることを前提にして文章を
書いているつもりはさらさらないんです。


           -=*=-


では、この後外勤に出るようちゃんの後ろをとことこと付い
ていくことにしましょう。
途中ではぐれないようにねー。(^^)/




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