会社で書類整理をしているとき、突然ある考えが降りてきた。
「放っておけば悪いものに変わる可能性がある」って言われたけど、
本当に前がん状態なら、かえってもっときちんとした説明をするんじゃないか。
つまり、もう、がんになってる状態じゃないか
その考えは頭を離れなくなった。
次の通院日には夫に会社を休んでもらい、一緒に病院に行った。
診察室には夫と一緒に入った。
その時の説明は前回と同じ
「放っておけば悪いものに変わる可能性」としか言われなかった。
そして、私は採血を受けるように指示された。
私が検査室に向かったあと、夫はもう一度診察室に呼び入れられ、
実はがんであること、手術は避けられないことなどを告げられたそうだ。
私は夫を何度も問い詰め、やっとがんであることを認めさせた。
このときは、むしろほっとした気持ちだった。
なぜなら、いろいろな想像をしなくてすむし、
それに1年以上通院していたのだから、
がんだとしてもごく初期のはずだと信じていたから。
年が明けたらすぐ入院し、中旬に手術という日程が決まった。
「20年前の子宮がん 手術」 につづく