20年前の子宮がん 手術① | がんも二度目なら・・・

がんも二度目なら・・・

過去そして現在のがん闘病について、また日々思うこと

平成3年、お正月休みがあけるとすぐ入院した。


それまでに本を読んだりして病気に関する知識を仕入れていた。


その結果、


「たとえがんでも初期なら恐るるに足らず」


という心境になっていた。



一通りの検査が終わり、


手術前日に手術の説明が行われることになり、


夫と二人で病室で待っていた。



そこへ看護師さんが呼びに来て、


ご主人にだけ説明しますから」と夫を連れていった。


私は「なぜ、一緒に説明を聞けないんだろう」と


イライラしながら待っていた。



しばらくして夫が戻ってきて、


「本人にはもう説明してあるからって先生が言ってた」


と言うではないか。


「私聞いてないよ」とあわてて看護師さんに訴え


先生に取り次いでもらった。


小部屋で受けた説明は、そのときの私にとっては衝撃的だった。



ごく初期のがんで子宮だけを取ると思っていたのに、


子宮と卵巣、リンパ節も郭清という広汎子宮全摘術というものだったのだ。



「悪いものになる可能性」とかのレベルじゃない。


りっぱながんで、しかも初期でもない。



私は先生に「本当のことを言ってほしい」と訴えたが、


先生はあくまで「悪性に変わる可能性がある状態」としか言わない。




押し問答に疲れはて、病室に戻ると手術承諾書が渡され


サインしてナースステーションに持ってくるよう言われた。


手術承諾書には「十分説明を受け納得し・・・」という文言があった。


「私は十分な説明受けてないし、納得できない」とサインを拒否。


夫は途方にくれたような顔をしていたが、


しばらくして自分で私の名前を書いて、持っていった。


先生から「必ずサインさせるように」と


厳命されていたらしい。



ナースステーションでは筆跡が違うのに気づかないのか、


気づいても関係ないのか、だまって受け取ったそうだ。



こうして、私は承諾書にサインしないまま、手術を受けることになった。



                                   つづく