あまりにも有名で、あまりにも美しいバッハ 平均律1番のプレリュード

 

「楽譜はハ長調だし」、「最後の3小節を除くと左右の手はずっと同じ動きだし」、「35小節とそんなに長くないし」…

 

 

 

 

最初の8小節あたりまではともかく、それ以降が何となく弾けない、弾けてもつかみづらいと感じる方が少なからずいらっしゃると思います。

 

 

バッハ 平均律1番のプレリュード、練習のコツはフレーズの区切り方です。

 

①:1~4小節

②:5~8小節

③:8~11小節

④:12~15小節

⑤:16~19小節

⑥:20~23小節

⑦:24~27小節

⑧:28~31小節

⑨:32~35小節

 

ポイントは、8小節目です。

 

この曲を4小節ごとのフレーズと考えます。

 

8小節目は②つ目のフレーズの最後の小節ですが、

 

同時に③つ目のフレーズの最初の小節と「みなし」ます。

 

そうすると、4小節フレーズが9つのシンプルな構成の曲であることに気付きます。

 

さらに、ハ長調のこの曲、和声の流れをこの様に考えます。

 

1:①~②=ハ長調

2:③~④=ハ長調

3:⑤~⑥=ヘ長調

4:⑦~⑧=ト長調

5:⑨  =ハ長調

 

~こう考える根拠です。

 

1のハ長調はどなたも異論はないと思います。

 

2のハ長調は、8小節目、9小節目の2分音符で鳴らされる最低音、バスの音を装飾と考えます。

そうすると、この2小節は同じハ長調のⅠの和音を続けて弾いています。

 

3のヘ長調も同じ考え方を取ると、16、17小節の2小節は同じヘ長調のⅠの和音を続けて弾いています。

 

4のト長調は言うまでもなく、バスでソの音を8小節

 

5のハ長調はバスでドの音を4小節、これも言うまでもなく終止のための4小節です。

 

 

 

いかにも、「和声分析しなさ~ぃ」と言ってる様な譜面ですが、あえて最初はざっくり見ます。

 

これだけの美しい曲なので、詳細な和声分析も興味を惹かれるところですが、そこをグッと我慢します。

 

8、9と16、17小節はバス以外の音、特に右手(あえて右手と言いますが)は同じことを2小節、4回繰り返しています。

 

バッハが35小節の短い曲の中で、2小節4回、同じことを繰り返えしさせているのはこの2ヵ所だけです。

 

しかも、それがフレーズ、区切りの最初だとすれば、大枠の和声の流れをこの様に考えることは許されると思います。

 

しかも、基本の㋖の和声進行なのであればなおさらです。

 

 

さあ、8小節目をReスタートにして、4小節ごと弾いてみてください。

 

平均律1番 プレリュード、その構成の美しさにあらためて驚きます。