外来魚の観賞魚(ペットショップ関連)業者による拡散 | まちがいだらけのブラックバス害魚論

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ブラックバスを害魚だと考える人たちの中には、いまだにブラックバスは密放流によって日本全国に拡がったと考えている人が多数派だと思われるが、そのような人たちは考察が足りないのではないか。

 

ちょっと考えれば分かることだが、ブルーギルでさえ、現在では日本全国に拡がっている。この事実はどう解釈しているのだろうか。

 

ブルーギルなど、誰も欲していない、誰にとってもメリットがあるとは考えにくい魚がブラックバス同様、日本全国に拡がっているのである。つまり、密放流以外の要因で、日本全国に拡がっているのである。

 

中には、ブラックバスのエサとしてバサーがブラックバスと一緒に放流した、と主張する人もいるようだが、それはあまりにも苦しい、非現実的な主張である。

 

まず、そもそもバスを密放流する人さえ、メリットに見合わないその大変な労力ゆえ、ほぼいないのに、ブルーギルまで移植放流する人間など、ほぼ考えられない。

 

最近、私の中の考えでは、タイトルにもあるように、ペットショップの関係業者による拡散というのが、ある程度の大きさを占めるのではないか、と考えている。

 

現在では、外来生物法によって、特定外来生物の輸入や運搬は禁止されているが、それ以前は、ペットショップにて、ブラックバスやブルーギルなどが売られていたようである。ネットで調べてみたが、これはほぼ事実で間違いないと思われる。

 

私の過去記事(→こちら)でも、スモールマウスバスが観賞魚の輸入業者によって、日本に入って来たであろうことを紹介しているが、私も疑問に思っていた、北海道でブラックバスの生息が確認された事実は、この観賞魚(ペットショップ関連)業者によるものが一因であるというのは、かなり可能性が高いと思っている。

 

実際、ネットで調べたところによると、外来生物法(2005年)以前は、北海道のペットショップでブラックバスが売られていたようである。

 

個人の趣味として楽しんでいるバサーがブラックバスを釣り、それを運搬して、密放流するというのは大変な労力がいる。

 

一方、ペットショップで売っているブラックバスを買い、家で飼っていたが、何らかの理由で飼い続けることが出来なくなり、放流することは大いに考えられる。

 

あるいは、中には悪い人間が居て、ある水域にブラックバスを放流しようと考えれば、バスを釣って運搬するより、ペットショップで購入し、それを放流する方が、よっぽど労力はかからない。

 

ペットショップで売られている個体はおそらく小さな個体であり、運搬が容易なように、パッキングされて渡されるだろうし、バサーがバスを捕獲する場合、まずは釣ろうと考えるだろうが、まずバスを釣ること自体簡単なことではないし、(運搬が容易な)小さい個体を釣るというのは難しいことなのである。

 

それに、ペットショップ関連業者による取り引きというのは、けっこう大量に一括で行われる。500匹とか1000匹とか、ある程度まとまった数で取り引きされるようである。バサーによる密放流で考えられるスケールとは、桁が違う。

 

そして、これは推測ではあるが、これらの個体がもし売れない場合、それらの維持にかかるエサ代などを考えれば、経営上、どこかへ放流してしまおうと考えるかもしれない。

 

とにかく、北海道という本州から海を隔てて離れた土地でブラックバスが確認されたという事実がある以上、人の手による運搬が確実にあったのだから、そこをどう考察するか、である。

 

ネットで調べた限り、北海道でブラックバスの養殖も行われていたようで、こういったペットショップであるとか、養殖業者などのいわゆる仕事関係、経済活動による運搬が可能性としては高いと思われる。

 

そして、これは、北海道に限ったことではなく、本州や四国、九州、沖縄などでも同様なのではないでしょうか。

 

バサーによる密放流以外に考えられないから、密放流が原因だというのは、あまりにも考察が足りない。

 

他にも、私たちがこうして、仕事をしたり、ご飯を食べたり、テレビを見たり、夜寝ている間にも、ブラックバスなどの自然拡散は起きている。

 

実際に、私は、過去に、U字溝を流れるバス(2~3cmの個体)をこの手で掴まえたことがあるし、一旦、とある水系に入れば、その水系全体にバスは拡がり、バスにとって居心地のいい場所に定着するのである。

 

そして、水系同士が用水路でつながっていたりするし、人間活動(開発)により、インフラ(水路)が整備されることによって、拡散が起こりやすくなったことも考えられる。

 

話は変わるが、昔から「ウジ虫が湧(わ)く」という言葉があるが、実際は何もないところからウジ虫が湧いている訳ではなく、生ゴミなどの汚物にハエがたかり、そこに卵を産むから幼虫であるウジ虫が出てくるのです。

 

何が言いたいのかというと、実際、台所の生ゴミなどの密室空間でウジ虫がいると、何もない所から湧いたように感じるが、実際は玄関を開けた瞬間や、網戸のほつれなどからコバエが侵入し、卵を産み付けているのであり、実際、生き物というのは人間が思うより、小さな隙間からでも侵入するものである。

 

何が言いたいのかというと、人間が思うよりも、自然拡散というのは起こっているものだということです。ちょっと強引かもしれませんが、ありえないと思うような、U字溝のような小さな水路でも、水でつながってさえいれば、バスは移動するということです。

 

まとまりのない話になってしまったが、何を言いたいのかというと、バサーとしての経験から、密放流がゼロとは言わないが、それによって、バスが日本全国に拡がったとは考えにくい。

 

1925年にブラックバスが日本に移入されてから、試験放流や自治体公認での放流などが行われていたことは事実だし、それよりも、先述したペットショップであったり、養殖業者であったり、いわゆる経済活動ベースによる拡散、そして、用水路などのインフラが整備されたことや、水域(水系)内を自由に移動するバスの習性や、あるいは、洪水などによる拡散など、密放流以外の要因による拡散の方が大多数を占めるというのが私の見解である。

 

そうしないと、冒頭で述べたブルーギルなど(ブルーギルだけでなく他の多くの魚)が日本全国に拡がっていることの説明がつかないのである。