多摩コラムvol.126 【昭島市】海のない昭島は「クジラ」だらけ!?(多摩の市町村㉕)
多摩ライフブログへようこそ!!毎週土曜日は多摩地域のトピックスをお届けする多摩コラム多摩地域の市町村をひとつづつピックアップしてその魅力をお届けするシリーズの第25弾!今回取り上げるのは昭島市です。【昭島市の基本データ】人口:11.2万人(2021.4.1)【16位:東久留米市>17位:昭島市>18位:稲城市】面積:17.34平方キロメートル【14位:稲城市>15位:昭島市>16位:東村山市】市名の由来:昭和29年の合併時に、昭和町の「昭」と拝島村の「島」を合わせた。市内の名所:昭和記念公園、昭和の森主な企業:昭和飛行機工業、フランスベッド、IHI出身有名人:吉沢亮(俳優)、アジャコング小平市で取り上げるテーマは…クジラ昭島を歩いていると、そこかしこで見かけるのが「クジラ」に関するモニュメントやイラストこのように町中がクジラだらけ!クジラといえば、海に生息する生き物であることは皆さんご存じのとおり。しかし、海から遠く数十km離れたこの昭島の地で、なぜこんなにクジラで町おこしをしているのか。もちろん、縁もゆかりもないのに、勝手に盛り上がっているわけではないのです。○なぜ昭島で「クジラ」なのか?昭島とクジラの関係…それは60年前に遡ります。1961年(昭和36年)8月、八高線にかかる多摩川橋梁近くでクジラの化石が発見されたのです。多摩川にクジラとはにわかに信じがたい話ですが、昭島市の辺りは100万年前は海の浅瀬だったようで、多くの海洋生物が生息していたそうです。そんな昭島で発見されたクジラの化石をきっかけに、周辺を調査したところ、骨格が次々と発見。しかも、いろいろ調べても同種類のクジラが他に発見されていなかったため、新種と認定。このクジラは「アキシマクジラ」と命名されました。しかも、この化石のすごいところは、100万年以上前のクジラの全骨格がほぼ完全な形で発掘されたこと。これは、世界でも類を見ないそうです。ちなみに発掘が1961年で、正式に新種と認定されたのが2018年。半世紀近くにわたる研究者や関係者の努力の結晶がこのアキシマクジラなのです。そんなわけで、世界的に見ても珍しいクジラの骨格が見つかった地として、昭島は「クジラの街」を押し出すようになったのです。○昭島はどれだけ「クジラ」に侵食されているのか?では、実際昭島の街はどのくらいクジラに侵食されているのか?駅前の案内板も…マンホールも…街角の行灯も…挙句の果てには、「くじらロード」商店街に…他にも東中神にある居酒屋くじら商店やうまいもん全国産直酒場 くじら商店 (東中神/居酒屋)★★★☆☆3.09 ■予算(夜):¥2,000~¥2,999tabelog.comくじらの森整形外科くじらの森 整形外科・皮膚科 – くじらの森 整形外科・皮膚科 | 東京都昭島市東町5丁目1-42 | TEL 042-542-1212くじらの森 整形外科・皮膚科 | 東京都昭島市東町5丁目1-42 | TEL 042-542-1212www.kujiranomori.jpさらに、昨年3月に開館した市立図書館「アキシマエンシス」一見クジラと関係なさそうな名前ですが、「アキシマエンシス」という名前は、アキシマクジラの学名として、世界で認定された名称なのです。このようにここ数年で、一気に昭島の「くじら熱」はヒートアップしているのです!○昭島が住みやすいのは「クジラ」のおかげ?そんなはクジラだけでなく、古代人にとっても住みやすかったようで、昭島市内では縄文時代の遺跡も多く発掘されています。そもそも、この地でクジラの骨格が完全な状態で見つかったのは、クジラが死んですぐに堆積物が溜まり、陸地となったため、骨がバラバラにならなかったのも大きな理由。クジラが安心して眠れるようなしっかりとした土壌があって、多摩川も近い。そんな土地が縄文時代の人にとっても住みやすい街だったのかもしれません。そして、江戸時代になり、奥多摩街道の宿場町として、拝島宿が発展。そして、昭和になり昭島は鉄道の街に。木材や石灰の運搬ルートとして鉄道が集まるようになり、青梅鉄道、五日市鉄道、国鉄八高線などが次々に開業します。そして、現代。モリタウンや昭和記念公園があるほどよい郊外が人気の住みやすい街として進化しているのです。クジラの奇跡は、実はこの街の発展とも無関係ではなさそうです。そんなわけで、アキシマクジラは昭島にとってかけがえのない存在です。街中にクジラがあふれる昭島。これからもますます盛り上がることを期待します。