先日、薬局に電話がありました。
「舌の苔が真っ白なのですが、漢方薬で治りますか?」
「舌の苔が厚いのには、いくつか原因が考えられます。お話を伺って、漢方薬で改善することはできますよ。」とお答えしました。
漢方では舌診(ぜっしん)と言って、舌の状態から身体の健康状態を診る方法が確立されています。
例えば、正常な舌は淡く紅い色をし、薄く白い苔が付いています。
舌の縁にギザギザと歯の跡がついてる歯痕舌は、身体のエネルギー不足である「気虚」や水分がうまく身体を巡っていない状態が考えられます。
先ほどの厚い白い苔は膩苔(じたい)と言い、食べ過ぎや飲み過ぎ、ストレスやエネルギー不足で胃腸機能が低下し、消化吸収がうまくできていない状態が考えられます。
少し前の日本経済新聞に『口の中見て体調チェック』という記事がありました。
漢方の舌診を紹介した記事ですが、それによると舌の色や形、苔の状態は大きく分けると48種類あるそうです。また、舌の画像をもとに自動で身体の状態を診断できる装置も開発されているそうです。
スマホで舌の写真を撮って、健康状態がわかるアプリもそのうち出てくるかもしれませんね。
舌の状態は朝と夜でも異なるし、その日の疲れ具合でも変わってきます。
正確に見分けることはできなくても、毎日舌を観察することで、自分の体質や健康状態を知ることができるでしょう。
病院に駆け込まなければいけないような重大な状態になる前に、未病の段階で気づけるように、ご自分の舌をチェックしてみてはいかがでしょうか。
蒲谷漢方研究所
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