起業した理由 | FiNC社長・溝口勇児のベンチャー経営日記

FiNC社長・溝口勇児のベンチャー経営日記

株式会社FiNC(フィンク)の溝口勇児のブログです。日々のできごと、感じたこと、戯れごとを綴っていきます。

最近は「なぜ起業したのか」と質問を受けることが多いです。

先日、お世話になっている方に、学生がやたらと多く集まる場(70人~80人くらい)に連れていってもらったのですが、そこでも10人くらいの学生にそのような質問をされました。(主旨をよく聞かずに行ったのですが、何やら「経営者や社会人に学生がいろいろ質問する」みたいな場だったようで…)

また営業に来る方や取材などでも同じ質問をされたので、ここ2週間でたぶん15回くらい話しているかもしれません。

私が起業をした理由は、 直截簡明に言えば、「力を得るため」です。

叶えたい志、変えたい世の不条理、作りたい世界を体現するためには、力が必要なのだということをある時に悟りました。その力を得るための手段としては起業が最も現実的であり、かつその可能性が唯一残された場所だと考え、起業という道を選択しました。


崇高な志を掲げても、絶対に正しい問題提起をしても、多くの人に影響を与えられる存在でなければ、それが叶う(解決する)ことはありません。


最近改めて思いますが、世の中にはほんとに素晴らしい知性や考え方、価値観を持っている人というのはたくさんいます。彼らの問題提起や理想を聞くと、ほんとに素晴らしいと感銘を覚えます。

ですがそういう方たちほど、どこかで歯がゆい感情を抱いている人が多いです。

なぜなら、問題の急所を捉えてはいるけれどもその問題を変える力を持ってないからです。

「わかっていてもできない。嫌(正しくない)なのに受け入れざるを得ない。不条理なのに是正できない」これらは思いのほか辛いことです。


「正しいことをしたければえらくなれ」
by 踊る大捜索線の和久さん

「いいかい、優しさだけじゃ人は救えないんだ。人の命を救いたきゃ、それなりの知識と医術を身につけな。腕がなけりゃ、誰一人救えないんだよ」
by ドクトリーヌ(ONE PIECEの登場人物)


以上の言葉は、表現こそ違えど、伝えたいメッセージは同じです。これらの言葉は痛いかもしれませんが、やっぱりこれが現実なんでしょう。


私はただほえるしかない人生は嫌です。生きている間に何か一つでも不条理や矛盾をなくしたいですし、頑張って生きる、挑戦することを怠る、という志や夢を半ばあきらめると同義の行動は取りたくないとは思っています。


少し暑苦しく書きましたが、起業した理由の根っこの部分にある感情は以上です。