新年会・懇親会・賀詞交換会の酒飲食を伴う参加費は、政務活動費負担なのか? | ブレない指針| みぞぐち晃一|完全無所属 前都議会議員選候補(大田区)

ブレない指針| みぞぐち晃一|完全無所属 前都議会議員選候補(大田区)

情報公開おおた代表「みぞぐち晃一」(前東京都議会議員大田区選挙区(無所属)候補者)のブログ。

 【新年会とか賀詞交換会とかが政務活動費? にどう思うか?】

 

 2018年の1月が終わろうとしています。

 今月は、国会議員も地方議会議員も、やれ○○会社新年会だ、○○業界賀詞交換会だと方々へ参加をし、名前を売りに顔を売りに大いに飲み歩いていることでしょう。

 もちろん、それが市民の意見を聞く、とか、業界からの要望を聞く、という要素もありますから、参加そのものに否定はしません。

 大いに語らって、大いに交流を深めて、大いにドンチャンやっていただければ良いです。


 

 …私費ならば…。

 

 『招待されている以上、飲食を伴う○○業界賀詞交換会の参加費用(呑み食い代)は、政務活動だよ』

 という理論がまかり通って、公費(政務活動費)から支出することに有権者はどこまで認めているのでしょうか。

 それとも、そもそもそんな風に使われているとは知らないから、黙っているのでしょうか。
 

 写真は、大田区議会のある年度の1月の複数会派(いくつかの政党)の政務活動費収支報告一覧です。

 見事に並ぶ、賀詞交換会や懇親会という名の飲み会の費用、そして、飲んだ後に帰る為のタクシー代。

 会派によっては、土産代まである始末。

 同じ日に一人で四つも五つもはしごをしている人もいます。

 その度に、五千円、一万円、二万円と支払いが読めます。

 政務活動費が議員一人当たり毎月二十数万円の大田区議会です。

 でも、情報公開請求されないと出てこないシロモノです。

 

 これらが普通にインターネットで見られるようになったら。

 これらの詳細が、領収書が、使われた先が、インターネットでサクッと見られるようになったら。

 そして、会派ごとではなく『誰(何議員)が、使ったのか』まで名前ごとに分かるようになったら。

 ……公費を食い物にしている議員が分かりますね。

 

 

 収支報告書では、他の自治体で問題となった『切手の購入問題』も散見されます。

 切手購入ではなく、郵便局に持ち込んでの区内郵便特別割引支払いではダメなのでしょうか。

 ……切手から現金への換金を目的としているのなら、それじゃダメなんでしょうね。

 

 他の自治体議会で問題になったのは、この切手による『貯金』と『私費流用』でした。

 これらがはびこるのは、政務活動費が月極で締め切るからでした。

 

 

 

 来月2月に行われる町田市議会議員選挙。

 その町田市議会では、政務活動費を使わなかった月は、翌月に持ち越して『通年で使える』という仕組みになっています。

 月当たりは、六万円しかありませんが、年に何回かの市政報告などに使ったり、半年に一度の行政視察に使ったりと工夫しているそうです。

 

 政務活動費は、各自治体の条例で定めるモノですから、大田区議会でも毎月十万円以下にして、通年で使えるようにして『使い勝手を良くして節約』に励むのも議会改革ではないでしょうか。

 

 もちろん、大田区議会の名誉のために書き記しますが、政務活動費を議会開催中の弁当を頼むなどの費用として使うような飲食での使用は、自粛していると言う事は大前提です。

 

 近年、段々と緩い使い方をしているとマスコミネタになってしまうから、と自主規制を厳しくしている会派もあると聞きます。

 

 

 果たして、今年はそれを守るのかどうかは、これから開けるべくの『情報公開請求』で解ることでしょう。

 

 しかし、『情報公開請求』をして、従来からの使い方が為されていたらどうでしょうか。

 

 有権者の多くは怒るのでしょうか、呆れるのでしょうか、そんなもんだよと白けるのでしょうか。

 

 

 変わらなければならないモノと、変わらなくても良いモノは、議会にもあると思います。

 

 これらは、少なくとも変わらなければならないモノに分類すべきモノでしょう。

 

 

 知らなければ、その問題提起すら出来ないのが、私たち有権者でもあります。

 

 知れば、おのずと声も上がるのではないでしょうか。

 

 知ろうとすれば、おかしな点・改善すべき点だと思うことが見つかるのではないでしょうか。

 

 知る人が広がれば、白けてしまうのではなく『改善を要求する有権者の集合体』の代表議員を送れるのではないでしょうか。

 

 地方議会そのものは、政党政治に関係なく、住民自治という生活に密着したことから行政と対峙して、事案を改善していく議会を運営していくことなのではないでしょうか。

 

(それが、会派はあっても政党は必要としない、もしくは、地方議会は無所属議員で構成される事が理想だと思う私の原点です)

 

 

 その必要条件が、住民が簡単に知れること。

 

 簡易に情報にアクセス出来ることなのです。

 

 

 

 ただ、残念なことに大田区行政(議会含む)は、まだ、そうなっていません。

 (私の関心ある『せせらぎ公園改修事案』についてもHPですら詳細は載っていません)

 

 大田区は、自治体としては大きな組織ですから、情報の完全開示に向けたオープンアクセスには、時間がかかるでしょう。

 

 どんな政策もそうですが、自治体の執行サイド(区長・区役所)と住民代表の議会(大田区議会)では、意見が違って当然です。

 

 国会と違って、地方自治体とその議会の二元代表制の意味は、そこにあります。

 

 

 

 では、まず住民代表サイドの議会から、情報オープンにしたら良いのではないでしょうか。

 

 議会のことだけであるなら、議会議員だけで決められます。

 

 執行サイドとの大きな折衝もなく、そもそも『議会内』での問題解決で済みます。

 

 もちろん、執行サイドの協力が得られるのなら、これほど良いことはありません。

 

 

 その具体例があります。

 

 小池百合子東京都知事就任後の豊洲市場関連の情報公開請求によった『のり弁状態』の情報開示が、ほとんど真っ新となって再開示されたことです。

 

 それは、小池都知事候補が『都政の透明化』を掲げた一昨年夏に、私も同時の都議補選に完全無所属で『情報のオープンアクセス』などを求めて出馬する事になったことから始まります。

 

 知事就任後に色々と転換もあったようですが、都議会が反対しようとも知事の一声で、情報公開が進んだのは間違いのないことでした。

 

 (残念ながら、数ヶ月後には、政局の思惑から掲げたこととは全く違う方向になってしまったようで、翌年の都議選になった頃には、既存価値感の議員や前職が、名前を変えた新党で大量当選する事態になり情報公開は止まってしまいましたが)

 

 

 その後の都議会は、停滞してしまいましたが、地元の区議会には、まだまだ情報公開へ進められるべき道は開けています。

 

 大田区は、区長と区議会議員の選挙は同日ですから、完全情報公開を目指す方々が少しでも多く当選すれば、変わっていくでしょう。

 

 そういった住民の代表である区議会を区長を望むかどうか、多くの有権者のご意見を賜りたいと思います。

 

 

  (了)