行政書士試験まで147日〜行政法記述式(2022年度)について考えてみた
あと7日!
今年も「あと140日の過ごし方」の季節がやってきました!
早いもので今年で15年目です。
今年は6月23日14時からです!
渋谷駅前本校での教室参加の場合は、「合計56点アップ道場」を当日お申し込みの方には、発送日前ですが、憲法8点アップ道場のレジュメをお渡しします。希望する方には、サインも書きます。
YouTubeでもライブ中継します。
使用レジュメのダウンロードはこちらのページの1番下からどうぞ。
当日はレジュメのほかに「論点表」も使用します。
こちらは準備でき次第、YouTube配信ページの概要欄からダウンロードしてください(16日時点ではまだダウンロードの準備はできていません。)
終わった後は、アフター配信として、あいこ先生とともに「横溝先生に相談だ6月号」も15時45分からやりますよ。当日はチャットで質問を受け付けます。
2024年度試験での合格を目指す全ての方の参加をお待ちしています!
2022年度問題44
昨日は民法の記述式を取り上げました。
ということで、今日は行政法の記述式を取り上げましょう。
2022年度問題44です。
ちょっと考えてみてください。
開発事業者であるAは、建築基準法に基づき、B市建築主事から建築確認を受けて、マンションの建築工事を行い、工事完成後、Aは当該マンションの建物につき、検査の上、検査済証の交付を受けた。これに対して、当該マンションの隣地に居住するXらは、当該マンションの建築計画は建築基準法令に適合せず、建築確認は違法であり、当該マンションも、そのような建築計画に沿って建てられたものであるから違法であって、当該マンションの建物に火災その他の災害が発生した場合、建物が倒壊、炎上することにより、Xらの身体の安全や家屋に甚大な被害が生ずるおそれがあるとして、建築基準法に基づき違反建築物の是正命令を発出するよう、特定行政庁であるB市長に申し入れた。しかしながら、B市長は、当該建築確認および当該マンションの建物に違法な点はないとして、これを拒否することとし、その旨を通知した。
このようなB市長の対応を受け、Xらは、行政事件訴訟法の定める抗告訴訟を提起することにした。この場合において、①誰を被告として、②前記のような被害を受けるおそれがあることにつき、同法の定める訴訟要件として、当該是正命令がなされないことにより、どのような影響を生ずるおそれがあるものと主張し(同法の条文の表現を踏まえて記すこと。)、③どのような訴訟を起こすことが適切か。40字程度で記述しなさい。
行政法の記述式の問題を解く時は、「誰と誰の間にどのような行政法上の関係が生じているか?」に注目してください。
開発事業者AはB市建築主事から建築確認を受けています。
これにより適法に工事を始めることができますね。工事は無事終わり、検査済証も交付されています。
開発事業者Aとしては、まったく不満のない状況です。
今回不満を持っているのは、隣地に居住するXらです。
XらはB市の市長に対して是正命令を出すように申し入れています。
これは、行政手続法36条の3に規定されている「処分等の求め」によるものと思われます。
ところが、B市の市長からは、この申し入れを拒否するとの通知がなされました。
ここで、Xらは抗告訴訟でなんとかしていこうと考えています。
とにかく、是正命令を出させたいというのが、その狙いです。
問題文では「問いの内容」を①②③と番号をふってくれていますね。
③で訴訟類型の特定を求めていますが、いずれにしても抗告訴訟のなかから選ぶことになります。
抗告訴訟の被告は、原則行政主体です。
つまり、①はどういった訴訟類型になろうとも、被告はB市なのです。
③については、抗告訴訟にどんなものがあったかを思い出してみましょう。
是正命令はでていませんので、取消訴訟、無効等確認訴訟は使えません。
申請に対する処分ではないので、不作為の違法確認訴訟も使えません。
是正命令を出す気がないのに、差し止めの訴えは意味不明です。
したがって、申請型義務付け訴訟か非申請型義務付け訴訟かの二択です。
そして、今回の是正命令はさきほども指摘した通り「申請に対する処分」ではありません。
であれば、申請型でないことはわかります。
今回は「非申請型」です。
ここを「申請型(拒否処分型)」と判断した人が少なくなかったのはちょっとびっくりしましたが、あなたは大丈夫でしたか?
最後に②について検討しましょう。
「非申請型」であることはわかりました。
さらに訴訟要件を聞いていますので、37条の3の規定内容を思い出してみましょう。
第三条第六項第一号に掲げる場合において、義務付けの訴えは、一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、提起することができる。
赤字が訴訟要件です。
是正命令がなされないことにより、どのような影響を生ずるおそれがあるか?、という聞き方をしています。
ですから、答えとして使うのは、「一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれ」の箇所です。
いかがでしたか?
本問は③が一番重要です。
ここで正確に訴訟選択ができることが、②につながります。
①を間違える人は、全員まとめて滝行にでも行った方が良いレベルです。
おまけ
そういえばあいこ先生の道場の告知動画がアップされたそうです。
初めての道場ですが、なかなか順調な滑り出しとのこと。
もちろん実績はないわけですから、いかに魅力ある講座であるかをアピールしていかないといけません。
こういった動画コンテンツは魅力を伝えるツールとしてはとても有効ですね。
申し込んで下さった方々には、弟子に代わって御礼申し上げます。
貴重なお金と時間を費やしてもらうわけなので、内容面のより一層の充実を目指していかないといけませんね。
もちろんそれは私の道場にも当てはまります。
すでにレビューがたくさん入っていますが、それを読むたびに背筋がピンと伸びます。
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