おはようございます。

シーガルカイロプラクティックの水越です。

 

先日、久しぶりにカイロプラクティックを受けに来た犬がいました。避妊手術をした後だったせいか、椅子の下に隠れてしまい、前より少し臆病になっているように感じました。そんな時は無理はせず彼女が自分から出てくるのを気長に待ちます。

 

やがて、顔を出したので、簡単にカイロプラクティックで何をして、どんなことが起こるのかを彼女に説明します。犬は人の言葉の奥に在る感情や、心の奥底にある思いが放つトーンや揺らぎを感じ取っていて、そうすることで犬なりにきちんと言葉の奥にある何かを理解していると言われています。

 

『これはいいのか、わるいのか』と。

 

人が話す『言葉』とは楽器で演奏する音楽であり、言葉という音が放つメロディーやハーモニーやトーンは音楽のように空間を彩っています。結局の所、言葉とは人のハートを伝えるための表現であって、その言葉の持つ意味よりも、言葉の奥底にある『思い』が伝わっていくのです。そういう意味で私は犬でも猫でも、必ずカイロプラクティックで何をするのかをハートを込めてお話しするのです。動物たちはよく分かっているのです。言葉の奥底にある人の思いを。

 

というわけで、今回はメス犬の避妊手術についてのお話です。すべての事象にメリットと代償があるように避妊手術にもそれはあります。大切なのはその両方を知ることで、そのうえで何をするのかを決めるということです。『周りの人々がやるから、やる』という安易な答えではなく、見分を広め、その上で自分が選択した答えを出す方がいいと私は個人的に思うのです。大切な家族のために、常識だからと何も考えず行うよりも。

 

 

"メス犬の避妊手術。二元論的な正解を越えたカイロプラクティックの視点"

 

《メス犬の避妊手術の内容とその目的》

メス犬の避妊手術は、将来的な病気の予防と、発情に伴うストレスやトラブルを避けることを主な目的として行われます。


1.主な目的
生殖器疾患の予防:もっとも大きなメリットの一つは、高齢期に多い子宮蓄膿症(子宮に膿が溜まる命に関わる病気)を100%防げることです。また、初回発情前に手術を受けることで、乳腺腫瘍の発生率を劇的に下げられることが知られています。

発情に伴うストレスの軽減:メス犬には人間のような閉経がなく、生涯にわたって発情期が訪れます。発情中のイライラや食欲不振、また周囲のオス犬に追われるといった精神的・身体的ストレスをなくすことができます。

望まない妊娠の防止:不意の交配による妊娠や、偽妊娠(妊娠していないのに母乳が出たり攻撃的になったりする状態)を防ぎます。

2.手術の内容(何をするのか)

動物病院によって多少の違いはありますが、一般的には全身麻酔下で行われる外科手術です。

摘出部位:「卵巣のみ」を摘出する場合と、「卵巣と子宮の両方」を摘出する場合があります。どちらの方法でも、ホルモンの分泌が止まるため避妊効果や病気予防の効果は得られます。

術式:お腹を数センチ切開する腹腔鏡下手術や、一般的な開腹手術が行われます。

期間:多くの場合、日帰り、あるいは1泊2日程度の入院で実施されます。

 

 

《避妊手術による変化とその代償》

卵巣はエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌する重要な内分泌器官ですから、それを摘出することは生体にとって大きな変化であり、ホメオスタシス(恒常性)への影響は避けられません。

 

1. ホルモンバランスの変化と代償作用
卵巣を摘出すると、脳(下垂体)は「女性ホルモンが足りない」と判断し、性腺刺激ホルモン(FSHやLH)を過剰に分泌し続けます。これがフィードバック機構の乱れを引き起こします。

代謝への影響:性ホルモンは基礎代謝の維持にも関わっているため、手術後は基礎代謝量が約15〜20%低下すると言われています。同じ食事量でも脂肪がつきやすくなるのは、このためです。

食欲の増進: エストロゲンには食欲を抑制する働きがありますが、これが消失することで食欲が増進し、エネルギーの「摂取増」と「消費減」が同時に起こります。

2. ホメオスタシスへの長期的影響
野生動物に近い視点では、生殖機能の停止はエネルギーを「次世代の維持」から「個体の維持」へと転換させる側面もありますが、人工的な摘出による生殖機能の停止には功罪両面があります。

骨・関節への影響: 性ホルモンは骨密度の維持に関与しているため、大型犬などで早期に手術を行うと、骨端線の閉鎖が遅れ、骨格の成長や関節の安定性に影響が出ることが報告されています。

内分泌系の再編: 卵巣がなくなると、副腎などが微量のホルモンを補おうとする動きも見られますが、完全に元のバランスに戻るわけではありません。

3. メリットとデメリットの天秤
獣医学においてこの手術が推奨されるのは、ホメオスタシスの変化という「リスク」よりも、特定の疾患(子宮蓄膿症や乳腺腫瘍)による「死のリスク」を回避するメリットの方が大きいと判断されることが多いためです。

自然な状態: 生殖器疾患のリスクはあるが、全身のホルモン連携は維持される。

手術後の状態: 特定の致命的な病気は防げるが、代謝低下や尿失禁(稀)などの新たな体質変化と向き合う必要がある。

 

 

《メリットと代償の天秤をさらに俯瞰して見てみる》

自然界のプログラム(生殖と種の保存)を人為的に停止させるわけですから、そこには必ずリターン(病気予防)とコスト(恒常性の変化)が発生します。この天秤をどう捉えるか、視点によっていくつかの解釈ができます。

 

1. 「個体維持」の優先
野生下では、発情や出産は命がけのエネルギー消費を伴うイベントです。家庭犬として生きる場合、その過酷なサイクルを止めることで、生殖に使うはずだったエネルギーを「個体の長寿」へ全振りするという考え方です。

メリット: 生殖器疾患という、生物学的に避けがたい「故障」を未然に防ぐ。
代償: ホルモンによる自動調整機能が失われるため、飼い主による徹底した「外部管理(食事・運動)」が必要になる。

2. 「構造と機能」の変化
内分泌系(化学的な伝達)のネットワークから一つの大きな節点(卵巣)が消えることは、全身のフィードバック回路を書き換えることに等しいです。

メリット: ホルモン由来の精神的・肉体的な乱高下がなくなり、情緒が安定しやすくなる。


代償: 代謝の低下や骨格・毛質の変化など、目に見えないレベルで全身のバランスが再構築される。

3. 未知のリスクとの付き合い
近年の研究では、早期の不妊手術が逆に特定の癌や関節疾患のリスクをわずかに高める可能性も指摘されています。

メリット: 統計的に圧倒的に多い子宮・乳腺の病気を防ぐ。


代償: 本来、性ホルモンが保護していた他の組織(骨や血管など)に、長期的な影響が出る可能性をゼロにはできない。

 

 

《避妊・去勢は飼い主の責任(マナー)というレベルで常識化されている》

現在の日本の獣道徳や飼育環境においては「避妊・去勢は飼い主の責任(マナー)」というレベルで常識化されているようです。これほどまでに一般化した背景には、単なる病気予防を超えた、現代社会特有の切実な理由がいくつかあります。

 

1. 社会的な管理の要請
住宅密集地で人間と共に暮らす以上、本能による行動をコントロールせざるを得ない側面があります。

「望まない繁殖」の防止: 多頭飼育崩壊や殺処分の問題を避けるための、最も確実で人道的な手段とされています。

トラブル回避: 発情期の鳴き声、オス犬を引き寄せる匂い、あるいは気性の変化による事故などを防ぐことで、コミュニティ内での摩擦を減らす役割を果たしています。

2. 「早期発見・治療」の難しさ
犬は不調を隠す生き物です。野生の世界では弱みを見せることは死に直結するわけで、そのような在り方は細胞レベルで染み込んでいるのです。

子宮蓄膿症のリスク: この病気は閉経のないメス犬にとって、高齢期に非常に高い確率で発生します。気づいた時には手遅れになるケースも多く、「防げる病気で命を落とさせるのは忍びない」という飼い主の心理が、手術という選択を後押ししています。

3. 動物病院や行政の指針
多くの自治体や保護団体、獣医師会が「健康と長寿のため」に推奨しています。統計的に、避妊・去勢済みの個体の方が平均寿命が長いというデータがあるため、科学的な「最適解」として定着しました。


《常識への「揺らぎ」と新しい視点》
しかし、近年ではこの「常識」に対しても、少しずつ変化の兆しが見られます。

欧州の一部(ドイツや北欧など): 「健康な臓器を摘出するのは動物虐待にあたる」という考え方が強く、医学的な必要性がない限り手術を行わないケースも一般的です。その代わり、飼い主の管理責任が極めて厳格に問われます。

個体差への配慮: 一律に生後半年で手術するのではなく、骨格が完成するまで待つ、あるいはその子の気質や体質を見て判断するという「個別化」した考え方も広まりつつあります。

 

 

《世界を俯瞰して見ると》

競技(アジリティやディスクドッグなど)の世界に生きる犬たちの「天秤」は、一般の家庭犬とはまた違った、非常にシビアで興味深い傾きを見せています。結論から言えば、競技犬のオーナーやハンドラーの間では、「あえて手術をしない(または時期を大幅に遅らせる)」という選択が、一般社会よりもはるかに意識的に行われています。ここには、単なるマナーを超えた「身体構造とパフォーマンス」への深い洞察があります。

 

1. 競技犬における「天秤」の重み
競技犬の世界では、以下の要素が代償として重く評価されます。

骨格の完成とバランス:性ホルモンは「骨の成長を止める」合図を送る役割も持っています。成長期(生後半年など)に手術をすると、この合図が来ないため、骨が必要以上に伸び続け、四肢の比率や関節の角度が微妙に狂うことがあります。数ミリの狂いが、高強度のジャンプやターンを繰り返す競技犬にとっては、前十字靭帯断裂などの致命的な怪我のリスク(代償)に直結します。

筋肉量と爆発力:テストステロンなどのホルモンは、筋肉の発達と維持に不可欠です。ダイナミックな動きを生み出すための筋密度を保つには、ホルモンの恩恵が欠かせないという考え方が根強くあります。

ドライブ(意欲)の維持:ホルモンバランスの変化が、競技に対する集中力や「やってやるぞ」というエネルギー(ドライブ)を減退させてしまう可能性があります。

2. 「Source」を守るという戦略
競技者にとっての優先順位は、単なる「管理のしやすさ」ではなく、「その個体が持つポテンシャルを最大限に発揮し、かつ怪我をさせないこと」にあります。そのため、以下のような選択が「競技界のマイノリティ(あるいは知的なスタンダード)」として存在します。

完全に成熟するまで待つ: 骨格が完成する2歳〜3歳まで手術を控える。

ホルモン温存の手術: 精巣や卵巣を残しつつ生殖能力だけを奪う方法(日本では一般的ではありませんが、海外のスポーツドッグ界では議論されます)を選ぶ。

あえて生涯未手術: 性周期による体調の波を「固有のリズム」として受け入れ、人間側が徹底的に管理して付き合っていく。

 

 

《「選択の質」の違いを見抜く眼差し》

「便利な管理」を捨てて、「生命の機能美」を優先する。「生命の機能美」を捨てて「便利な管理」優先する。どちらの選択も正しい。「どちらの選択も正しい」とフラットに置いた上で、その「選択の質」の違いを見抜く眼差しこそ、ニュートラルな位置に立つ者の視点です。

 

1. 「便利な管理」を優先する選択(受動的な正解)
これは、世間(マジョリティ)が提供する「パッケージ化された安心」を購入する行為に近いです。リスクを「排除」することに主眼があり、その代償として失われる「目に見えない微細な調和」については、そもそも認識の表に上がっていないことが多い。思考をシステム(常識)に委ねた結果としての「正解」です。

2. 「生命の機能美」を優先する選択(能動的な正解)
こちらは「天秤の両皿に載っているものの重さを、自らの手で量った上での選択」です。メリット(病気予防)だけでなく、そこにある代償(構造の変化、エネルギーの遮断、ホメオスタシスの揺らぎ)を直視し、それを受け入れた上で「生命の本来の躍動」に賭けている。 覚悟を伴う、主体的な「正解」です。


 

《二元論的な正解を超えて》

私は日々カイロプラクターとして、カイロプラクティックを犬に提供しています。アジャストメントを始めたら、頭を空っぽにして、手から感じる生命のエネルギーと向き合います。そこにサブラクセーションがあればアジャストメントをするでしょうし、なければ何もしないのです。手術をしても、しなくても、どちらも『生命を輝かせる』という点でお役に立てるようにと思っています。

 

手術をする・しないという二元論的な正解を超えて、「今、目の前にある生命の状態」を丸ごと受け入れ、その個体が持つ幾何学的なポテンシャルを最大限に引き出す。それは、どの選択をした個体に対しても等しく注がれる、公正で深い慈しみです。

 

「手術をしたから輝きが減る」わけでも、「しないから完璧」なわけでもない。大切なのは、その選択の結果として今ここにある身体が、どれだけSource(生命の源泉)と太いパイプで繋がっていられるか。カイロプラクターはそのパイプの詰まりを取り除き、生命の輝き(ポテンシャル)を解放するための神聖なインターフェースです。「どんな条件の下でも、生命は輝きたがっている」のです。

 

 

《カイロプラクティック(BGI)の視点で見ると気づくこと》

この「どちらの選択をしても生命を輝かせる」という境地をBGI(Bio-Geometric Integration)の視点で解き明かすと、非常にダイナミックな「フォース(力)」の統合プロセスが見えてきます。BGIの核となる「ジオメトリー(幾何学)」と「トーン(緊張感)」の観点から見ると、以下のような洞察を与えてくれます。

1. 介入(手術)を「ジオメトリー」の変容として捉える
手術という介入は、物理的な構造(硬組織や軟部組織)に不可逆的な変化を加える行為です。避妊手術は、単なる臓器の摘出ではなく、身体を支える「テンセグリティ構造(張力統合構造)」における主要なケーブルの一本を繋ぎ変えるようなものです。構造が変われば、当然エネルギーの通り道(幾何学的なライン)も変わります。

 

私がカイロプラクティックをする場合は、その変化した新しいジオメトリーの中で、いかに「歪み(サブラクセーション)」を溜め込まず、新しい統合(インテグレーション)を創り出すかという高次元のアジャストメントを想定します。

2. ポテンシャルエネルギーの「質の転換」
手術をしない個体と、手術をした個体。BGIの視点では、蓄積されるエネルギーの「質」が異なると考えられます。手術をしない個体は性周期という自然なリズム(ゆらぎ)を内包した「動的なテンション」を保持しています。手術済みの個体は介入によって生じた「静的なテンション(あるいは構造的な空白)」を、他の部分で代償しながら調和を保とうとします。
 

どちらの状態にあっても、カイロプラクターがニュートラルに「コンタクト」することで、その個体が抱えているポテンシャルエネルギーを「生命の成長のためのキネティックエネルギー」へと反転させることができます。

3. 「トーン(Tone)」の公正な観察
BGIの哲学における「トーン」とは、生命の振動そのものです。「手術をしたからトーンが落ちる」と決めつけるのは世間のバイアスです。ですから、私はニュートラルな在り方で、その個体が今持っている「今のトーン」を、ありのままにSourceと繋げようとしています。

そして、犬であれ人間であれ、アジャストメントによって「構造(Geometry)」と「エネルギー(Force)」が合致した瞬間、空間を震わせるように、その個体固有のトーンが最大限に響き渡ります。

4. カイロプラクターという「ニュートラルな質点」
BGIでは、カイロプラクター自身が「統合された状態」であることが、システムの共鳴において不可欠です。私は時々、登山やキャンプを通して自然の中で過ごすのですが、そうすることで私自信がSourceと繋がり、ニュートラルに戻れます。それは、まさに自分自身のジオメトリーを「再起動(リセット)」する行為です。

私自身がクリアな導管であればあるほど、手術の有無という「外的な条件」を超えて、相手のイネイトが最も望む幾何学的な再編をガイドすることができます。

「どんな幾何学の中にも、Sourceへと至る道(ライン)は存在する」

このBGI的な確信があるからこそ、私は「どちらの選択も正しい」と断言し、それぞれの個体の輝きをサポートできるのだと感じます。

 

 

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

 


 

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