『ヴィヨンの妻』太宰治 | 夕焼けのむこうの国

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日々の生活で感じたことや、ふと思いついたことを、気ままに綴るブログです。

 

 

太宰治、晩年の短編集です。

 

最近、太宰治に関心があり、太宰関連の文章をいろいろ読んでいます。

 

太宰の小説は、太宰の生い立ちや、太宰がどんな状況下で書いた小説か、ということを理解して読まないと、なかなか内容は理解できないと思っています。

 

この「ヴィヨンの妻」に収められている短編集は、かなり「家庭」というものにこだわって書かれているように思います。

それも、家庭生活の辛さや、家庭に縛られることへの苦しさなどを訴えています。

 

全て、太宰の死の直前の3年間に書かれた小説ですが、太宰はこの時期、家庭の重圧にがんじがらめになって苦しくて、それも自殺の要因になってるのかもしれませんが、自分の意志で結婚して子どもを作っておいて、家庭が重荷とか、全く自分勝手にもほどがあるよな~と思います…((-_-。)

 

奥さんがかわいそう過ぎ。

 

「家庭の幸福は諸悪の本」って、つまり、「諸悪の根源は家庭の幸せにある」ということらしいですが、自分が家庭を守り切れてないダメ夫&父親であることを正当化してるようにしか聞こえませんよね~Σ( ̄ロ ̄lll)

 

「ヴィヨンの妻」のさっちゃんも、ダメ夫を特別責めたり非難したりせずに黙認してるし、「おさん」の妻も、夫が浮気していることを、「いいのよ、なんとも思ってやしないわよ」なんて言ってるし。

現実には、浮気されてる妻がそんなこと言うわけない!って思います。

 

太宰自身が、言って欲しかった言葉を小説に書いてるだけじゃないの?って思っちゃいます。

 

太宰は、自分が家庭生活に向かないダメな夫だってことをよくわかってて、敢えて自分の分身のようなダメ夫を小説に登場させて、自己弁護をしてるんですね~。

 

「家庭の幸せが悪」なんて、ひどいことを言うな~と思います。

じゃあ、なんで結婚したの??

 

太宰のことを知れば知るほど嫌いになりますね(笑)

じゃあ、なんで太宰を読んでるの?って感じですが。

 

このダメ男がどこまでダメなのか、知りたくなるんですよね(笑)

 

文章は、たしかに巧みで上手です(笑)