漫画を語る・その4『ヨコハマ物語』 | 夕焼けのむこうの国

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日々の生活で感じたことや、ふと思いついたことを、気ままに綴るブログです。

 

 

 

大和和紀の中で、好きな作品です。

性格も生い立ちも正反対の、お卯野と万里子という2人の少女が、文明開化の明治時代を舞台に、自分の人生を切り開いて生きていく物語。

 

初めて読んだのは、小学生の頃だったと思います。

当時は、お卯野の方が好きでしたね。

まっすぐで前向きで、誰からも好かれるお卯野に憧れていました。

お嬢様の万里子よりも、一般庶民のお卯野の方が、自分と近いから共感しやすかったっていうのもあるかも。

 

でも、大人になってから改めて読み返すと、万里子の方が好きだな~と思います。

不器用で素直に振る舞えないんだけど、度胸があって、言いたいことをハッキリと言って、外国人や男にも臆せず立ち向かう。

それで、貿易の仕事もこなすような商才もあって。

しかも美人。

女として憧れますね。

 

万里子は「お卯野が森太郎を好きな気持ちに負けた」と言っていましたが、万里子には竜助の方が合っていたと思います。

もし森太郎と結婚していたら、毎日大根を洗ったり、ニワトリを追いかけたりの貧乏暮らしになって、新しい着物の一枚も買えなかったと思いますよ(^_^;)

お卯野は森太郎と一緒にいられればそれで満足だったでしょうけど(貧乏暮らしにも慣れているだろうし)、万里子には耐えられなかったでしょう。

 

それに万里子は、森太郎よりも、自分の人生を選んだってことじゃないのかな。

万里子にも、全てを捨てて森太郎のところへ行くチャンスがあった。

でも、森太郎と一緒に、どうなるかわからない運命に飛び込んで生きるよりも、横浜で生きていくっていう自分の人生を選んだんじゃないのかな。

森太郎よりも横浜を取ったっていうか(笑)

 

竜助も、子どもの頃読んだ時は、ただの強引な男にしか見えなくて、優しげな森太郎の方がステキに見えたけど、大人になってから見ると、断然竜助の方がイイ男ですね。

こんな男に強引に言い寄られたら、女冥利に尽きますよ。

しかも、お金もある!!(笑)

 

しかし、一番突っ込みたいのは柊一郎(笑)

自分は、叶屋のために妹を竜助に売っておきながら、自分は叶屋を捨てて芸者と駆け落ちとか…Σ( ̄ロ ̄lll)

いくら、余命短いとはいえ、よく万里子が恨んでないな~と思いますよ。

万里子、心が広いな~。