「いじめられていた」という発信はよくありますね


でも

 

「いじめていた」という発信は少ないですよね

 

なぜでしょう

 

 

 

それは

 

大抵が『いじめている自覚がない』からです

 

 

 

正確に言うと

 

最初はそんなつもりはなかったからです

『いじめていたつもりはなかった』からです

 

 

 

私もそうでした

 

 

 

 

 

 

私は小学生のころ転校生をいじめてしまいました

 

最初はそんなつもりはありませんでした

 

 

転校生です、と先生に紹介されて

 

教壇の横に立って挨拶した彼女はとても綺麗な子で

 

友達になりたいと思いました

 

 

学級委員をやっていたこともあって

 

教室の案内や勉強の進み具合を説明するなどで

 

すぐ話をするようになりました

明るくて一緒にいて楽しい彼女は友達もすぐにでき

私たちは皆でよく遊んでいました

 

 

ところがある日

彼女の嘘がバレたのです

 

 

その嘘が何だったのか思い出せないほど

 

本当に些細な どうっでもいい嘘だったと思います


でも子供のころは

 

『嘘をつかれた』ということがどうしても忘れられず許せないほど

 

世界が狭いのです

 

 

そこからです

 

そこから無視が始まりました

 

 

 

 

 

確か4~5人の仲良しグループだったと思いますが

 

急に口をきかなくなった様子に周りはすぐに気づきますよね

 

何があったのか知っているのか知らないのか分かりませんが

 

なんとなくクラスメイトも

 

あまり彼女と口をきかなくなっていきました

 

 

そのうち主導しているのは私だという噂が耳に入ったりして

 

なんだかどんどん仲直りしづらくなっていきました

 

 

気まずくなって段々と学校に行くのも嫌になってきたときに

 

仲直りのきっかけをもらいました

 

 

 

それは彼女のお母さんからの電話です

 

 

 

当時の電話といえば家の電話です

 

彼女の家は母と子の家庭で飲食店をやっていて

 

夕飯どきは忙しいはずなのに電話がありました

その時間帯には私の親も家にいました

私は親の前で電話に出る気持ちにはなれなかったので

 

子機に回してもらいました

 

いま思えば彼女のお母さんもどれだけ勇気が要ったことでしょう

 

 

電話口では優しい声で

 

どうして○○をいじめるの?

何か○○が悪いことをしたなら教えてくれる?


ちゃんと叱るから…と

 

 

そのときに私は初めて『いじめている』と自覚しました

 

本当にハッとしたのを覚えています

 

 

 

そして
 

涙があふれてきて

 

「○○ちゃんはこんな嘘を言っていた

 

私たちを長い間だましていた

 

親友と思っていたのに嘘をつかれたことが許せないんです」

 

と泣きながら訴えました

 

 

電話の向こうでは彼女のお母さんも泣かれていました

 

 

 

 

次の日彼女は

 

一緒に遊んでいたグループの私たちへ

 

「嘘をついていてごめんなさい

 

また仲良くしよう」と言ってきてくれました

 

 

私たちはみんな泣いて泣いて

 

すぐに仲直りした記憶があります

 

 

 

いじめがエスカレートして歯止めがきかなくなる前に

 

止めてくれた彼女のお母さんには

本当に感謝しかありません

 

 

 

 

 

 

 

『いじめ』は

 

特にいじめている側には自覚がないことが多いことは

 

間違いありません

 

 

当人が気づけばそれだけで止まることもあるんです

 

だから

 

いじめを見つけたら

 

もし言える環境だったら

 

いじめている人たちに

「それって ただのいじめだよ」と言ってみてもらえたら…

 

 

私はそれで踏みとどまれたようなものだから


 

 

 

 

なかには直接は言いづらい事情もあるでしょう

 

そんなときは複数の大人に知らせてください

 

でも実は学校の先生たちだけでは足りなくて

 

自分の親にも話してみてください

 

学校外の世界で過ごしている大人を巻き込むことは

 

とても有効です

 




 

 

知った大人側の対応は子供の年齢で変わりますよね

 

 

小学生はまだ素直なので会話で解決できるかもしれませんが

 

中学生以上はそれは難しくなります

 

たいてい当人から真実は聞けませんから

 

 

ならば思春期の子供にはどうするのが良いのか・・・

 

 

ここからは逆に私がいじめられたときの話になりますが

 

中学生にもなると集団暴力も加わり始めます

 

つばを吐かれる…


顔を避けて胴体を殴られる…


髪を切られる…

 

言葉の暴力も知恵がついて痛いところをついてきます

 

 

そうなってきたら

 

知った大人はどうするべきか?

 

 

本人に立ち向かう気がなければ

 

即、介入するべき

 

証拠を記録して警察に持ち込むべき

 

 

相手は子供ではなく

 

いじめた子の親になります

 

そこを巻き込むべき

 

 

当時わたしは誰にも助けを求められなくて

 

苦しかった思い出があります

 

 

私が乗り越えられたのは

 

ただの偶然としかいえません







いまになって表面化してきている

 

『原発事故による避難者へのいじめ』問題は

 

原因がはっきりしているだけに

 

学校の先生が気づけなかったどころか

 

加害者になっていることが多くて残念です


あれは…人は大人になっても

 

いじめていると自覚できない証拠です

 

 

 

 

 

 

避難者いじめを受けたある男子生徒の手記が公開されましたね

 

しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた


 

人の死を目の当たりにした被災地の子供たちは

 

とても大人びているなと思います

 

それだけ精神に受けた衝撃は計り知れないということ

 

 

 

そんな人をどう考えるか

 

受け入れた学校が1コマ割いて授業をするなど

 

考えた学校関係者はいなかったのかと

 

残念でなりません





いじめ事件には

どうか身近な友人が安全に


もっと介入できる術ができますように

 

どうか自ら命を絶つくらいなら

 

そんな学校に行かなくて済む道ができますように

 

 

 

今日は それを祈ります