「年賀状、もう出した?」
そう聞いた私に「もうとっくに出したよ。最近では早めに出さないと元旦に着かないみたいだからな」と父。
「そうみたいだね。ネットの時代になったから、郵便局も大変なんだろうね。ハガキだって大幅に値上げしなければ、やっていけないんだろうね」。
そう言いつつも、心の傍らで(年賀状をほとんど出さなくなった私が言えることではないな・・・)と思っていると、父が面白いことを言いだした。
「オレはな。ハガキの値上げなんてしなくても済む、いいアイディアを思いついているんだよ」
「え?」
「年賀状を一枚、1000円にすればいい」
「いや、いや、いや~。超値上げじゃん。それじゃ誰も出さないわ」
「だと思うだろ? でももしそこに、1等100万円の宝くじが付いていたらどうだ?」
「え!!もらえたら、めちゃ嬉しい!!」
「だろ!それなら出す方だって、『あの人が当たりますように・・・』って祈りながら出したくならないか?」
「なる!なる!!」
「だろぉ! 年賀状が手書きだった頃はなぁ。想いを込めて書いてくれたことに価値を感じるから、その人のことを思い出しながらじっくり読んで、キレイな箱に入れて何年も大切にとっておいたものだよ。
そういうものは、なかなか捨てられないよ。
でもそれが印刷に変わってからは、どうだ。
味気ないからチラッと目を通すだけだろ。
価値が感じられなければ、そんなもんだ。
同じはがきでも、全然価値が違うんだよ」
老人の知恵に、なんだか胸がジンとした。
どんなことにも想いを込めて手作りしていた時代の人たちにとっては、簡単便利な今の生活は味気がなくて、価値を感じられないのだろう。
だからと言ってわざわざ不便を強いたところで、そこに想いが込められるわけではない。(ちなみに父が出した年賀状も印刷だ 笑)
そこで父が考えた苦肉の策が、「100万円の宝くじ付き、一枚1000円の年賀状」。
『想いの重さ=価値の重さ』
自宅の居間でこんな討論をしたところでなんの役にも立たないけれど、私は父と交わすこんな会話が大好きだ。
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