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こんにちは。幸せを運ぶ語りびと 中村美幸です。

ご訪問下さり、ありがとうございます。

このブログでは、小児がんを患った長男(渓太郎)との闘病、別れを通して知った「幸せ」や「愛」、「命」「生きること」について綴らせていただいています。

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「こんにちは~!」と挨拶をして入っていくのは、ひとり暮らしを始めた息子のアパート。

 

「はーい!」という声が聞こえたのと同時に玄関の扉が開き、元気そうな笑顔が私の目に飛び込んできた。

 

すると、一緒に暮らしていたころと変わらない言葉が、胸の奥から湧き上がった。

 

 

「元気でいてくれた!ありがとね」

 

 

 

 

 

渓太郎が亡くなった後、私は娘と息子を授かった。

 

 

二人が小学校へあがってからは、私は朝食の準備をしながら、二階にある子ども部屋から二人が居間へ降りてくるのを待つのが朝の日課となった。

 

 

「トン、ト…ン、トン。トン。ト・・・ントン」

 

寝ぼけたような足音が少しずつ近づいてくる。

 

 

それから間もなくすると居間の扉が開き、これまた寝ぼけた「おは、よ…」の声が私の耳まで届いてくる。

 

それは私にとって、深い、深い安堵を与えてくれる瞬間だった。

 

 

(今日も、元気に起きてきてくれた。ありがとう…)

 

 

この安堵感は、二人の子どもたちが独り立ちするまでの18年間、毎日、私の朝の心を包んでくれた。

 

 

子どもたちへ「おはよう!」の挨拶をするよりも先に溢れる「ありがとう」は、意識してそう思っていたわけではないのだから、渓太郎を亡くすことで無意識に生まれた命への感謝なのだと思う。

 

 

しかし「感謝」といっても、その発生源はとてもネガティブで、渓太郎を亡くした後遺症によるものだろう。

 

 

 

渓太郎との闘病中、ひと時も消えることがなかった「いのちの危機感」から・・・

 

―――『誰でも明日があるとは限らない。1時間後だって…わからない』

 

 

そして、渓太郎の旅立ちにより突き付けた「死の事実」から・・・

 

―――『人はいつか、必ず死ぬ。「死」は、すぐ隣にある・・・』

 

 

 

そんな気持ちが、常に私の心に付きまとう。

 

 

そのため、いつでも「死」への不安感のようなものが心の中を漂い続けているのも事実。

 

けれど…

 

それをはるかに超える生への「喜び」や「感謝」、「幸せ」が発生しているのも、また事実。

 

 

寝ぼけ眼の子どもたちへ「おはよう!」の挨拶をするよりも先に「ありがとう」が溢れるのがその証。

 

 

 

渓太郎は私の心に『人は必ず死ぬ』という爪痕を残すことで、生への感謝を刻み込みたかったのだろう。

 

それはきっと、次に生まれる妹のために・・・

 

弟のために・・・。

 

 

 

久々に会うムスコに、「元気でいてくれた!ありがとう」とつぶやく私を、渓太郎兄ちゃんは「しめしめ」と思いながら眺めているに違いない・・・。

 

 

(こんなポーズをとって、看護師さんにいつもエールを送っていました。「えい、えい、おー!!」)

 

 

 

◆4月12日(日)東京狛江市にて 第一回「中村美幸ひとり語り」が開催されます

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去る1月19日(日)、ザ・リッツ・カールトン・ホテル元日本支社長である高野登さんをゲストにお迎えして開催させていただいた第2回では、人の「存在」に焦点を当てて語らせていただきました。(台風19号の影響により第1回が延期となったため、1回と2回が前後しております)「目に見えてあるのが『実体』」 「見えても見えなくてもあるのが『存在』」という語りの部分では、多くの方がハッとしてくださり、大切な人の存在を心で感じ、会場中がとても温かな空気に包まれました。

 

そして次回、4月12日(日)は、オフィス・フォー・ユー代表取締社長・横山塾塾長の横山信治さんをゲストにお迎えして、人の「幸せ」に焦点を当てた語りをさせていただきます。

第一部は、私が一緒に闘病していた子どもたちが教えてくれた「私が感じる幸せ」と「いのちが感じる幸せ」の違いや、「幸せの正体」とはなにか、など・・・普段、ブログではお伝えしきれないことも語らせていただきたいと思います。

そして、第二部は、いよいよ横山さんにご登壇いただきます。

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