こんにちは。幸せを運ぶ語りびと 中村美幸です。
ご訪問下さり、ありがとうございます。
このブログでは、小児がんを患った長男(渓太郎)との闘病、別れを通して知った「幸せ」や「愛」、「命」「生きること」について綴らせていただいています。
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友人と「戸隠山公明院」に行ってきました。
例年のこの時期ではありえないことですが、長野市街地から戸隠までの道路はカラカラと乾いていて雪道を心配することなく到着しました。
が・・・
さすがに公明院の中には、大量の雪。(とはいっても、いつもの冬に比べたら、極端に少ないのですが・・・)
真正面にあるのが、公明先生のお墓。
近くによると・・・
戸隠山がまるで後光の役割りをしているかのように、お墓の凛とした美しさを際立たせます。
私が公明院を知ったのは、今からおよそ5年ほど前。
実は、東京にお住まいの方からこの場所を教えていただいたのです。
(戸隠山から1時間ほどの場所に住む長野県民の私が・・・です 汗)
その方が公明院について説明して下さる中で、私はこの一言で「ぜひ、行ってみよう!」と心に決めました。
――『公明院の平和への祈りは、宗教間を超えているんだよ』
その言葉を耳にした瞬間、私の頭に蘇ったのは、渓太郎を納棺した時のこと。
小さな棺桶に納まった渓太郎へ最後の挨拶をするため、参列者が一列に並びました。
おひとりずつ順番に最後の挨拶を済ませ、ある方の番になったとき・・・
周りを取り囲む親せきの顔色を伺うように、その方が尋ねられました。
「これ(お札)を、入れてもいいですか?」
その方が大切そうに握っていたのは、ご自身が信仰されている宗教のお札。
浄土宗のしきたりに添って葬儀が執り行われる中、その方は別の信仰をお持ちだったのです。
あちらこちらから戸惑いの声が流れました。
「そんなことをして、渓太郎が浄土に行けなくなったら困る・・・」
「それはやめた方がいいよね・・・」
親戚一同が返答に困っている中、しばらくすると、参列者の視線が私に集中。
決定権は、母親である私に委ねられました。
そこで、私はひとこと・・・
「入れてあげてください」
それは、私ではなく渓太郎の意思。
渓太郎のために持ってきてくれたお札を、渓太郎が「いらない」と言うはずがありません。
その答えに部屋全体がしんと静まり返る中、その方はお札を入れると、小さな頭を優しくなでながら、しばらく渓太郎に語り掛けていらっしゃいました。
今でもよく、「なにか信仰されていますか?」と聞かれることがあります。
そのとき、私はいつでも「一応、仏教ですが・・・多宗教主義です」と答えます。
多宗教主義なんて言葉があるのか、ないのかわからないのですが、確かにあのとき、渓太郎も私も、なにを信仰しているのかよりも、その人の思いがありがたくて、嬉しくて仕方がなかった。
だから、多宗教主義は今でも変わりません。
そして、それから15年ほどの月日を経て、出逢った場所が公明院。
こちらの塔には、卍だけでなく、鳥居、キリスト教の十字も配列されています。
ほかにもお印がありますが、宗教に詳しくない私はそれがなにかはわかりません。
ただ、ここに来ると、いつでもあの時のことが蘇ります。
渓太郎が「ありがとう」と言ってお札をもらっている姿。
みんなが葬儀に集まってくれて、ご機嫌な笑顔を見せてくれた心の中の渓太郎が・・・。
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~4月12日(日)東京狛江市にて 第一回「中村美幸ひとり語り」が開催されます~
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去る1月19日(日)、ザ・リッツ・カールトン・ホテル元日本支社長である高野登さんをゲストにお迎えして開催させていただいた第2回では、人の「存在」に焦点を当てて語らせていただきました。(台風19号の影響により第1回が延期となったため、1回と2回が前後しております)
「目に見えてあるのが『実体』」 「見えても見えなくてもあるのが『存在』」という語りの部分では、多くの方がハッとしてくださり、大切な人の存在を心で感じ、会場中がとても温かな空気に包まれました。
そして次回、4月12日(日)は、オフィス・フォー・ユー代表取締社長・横山塾塾長の横山信治さんをゲストにお迎えして、人の「幸せ」に焦点を当てた語りをさせていただきます。
第一部は、私が一緒に闘病していた子どもたちが教えてくれた「私が感じる幸せ」と「いのちが感じる幸せ」の違いや、「幸せの正体」とはなにか、など・・・普段、ブログではお伝えしきれないことも語らせていただきたいと思います。
そして、第二部は、いよいよ横山さんにご登壇いただきます。
横山さんがビジネスの世界で大成功を収めていらっしゃるのは多くの方がご存じだと思いますが、横山さんの根底のあるのは、「どんな人も重要な存在として大切にされる心」だと感じます。
性別、年齢、社会的地位などまったく問わず、「あなたは重要な存在だよ」と感じさせてくださる横山さんに、是非、会いにお越しください。