こんにちは。本当の愛と幸せを届ける講演家 中村美幸です。
ご訪問下さり、本当にありがとうございます。
このブログでは、小児がんを患った長男(渓太郎)との闘病、別れを通して知った「幸せ」や「愛」、「命」「生きること」について綴らせていただいています。
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『あなたがもっとも尊敬する人は?』
配布されたプリントの一番最初に書かれていたその問いに、私は迷うことなく答えを書いた。
『こども病院の石井先生』
それは、今からおよそ10年前。
渓太郎が亡くなって10年後のこと。
渓太郎や一緒に闘病していた子どもたちが、日々、命がけで遺してくれたのは、「幸せのありか」と「愛とは・・・」「生きるとは・・・」のメッセージ。
けれど、入院当初、私がそのメッセージを受け取っていたのかというと、そうではない。
「神とやらがいるなら、出てこい!渓太郎をこんな目に遭わせやがって!」
そんなことを思っていた当時の私にとって、「幸せ」や「愛」などというメッセージは、まやかしであって、心をかき乱すものでしかなかったはずだ。
そんな私の目の前で、大きな体を縮こめて床に膝をつき、ベッドの脇から渓太郎に声をかける石井先生。
「渓太郎くん、ちょっとごめんね。モシモシ(聴診器を使って心臓の音を聞くことを、先生はこう呼んでいた)させてもらっていいかな」
ベッドのわきから見ていた私の目に、その姿は、渓太郎の小さな命に「仕える者」のように映った。
こちらが「助けて!」とすがっているというのに・・・。
尊厳を守り、感謝するものが「いのち」なのだということが、無意識に私の心に浸透していった。
すると、自然に「生きている今」に焦点が当たるようになった。
一分一秒を生きている渓太郎や子どもたちの生きる鼓動が、バンバンと心に飛び込んできた。
「教える」でも「説得する」でもなく、自らのあり方によって、「幸せ」や「愛」「生きること」に真正面から向き合わせてくれた石井先生。
20年経った今でも渓太郎の「生きる」を支え続けてくれる人。
「その心をいじめないで」の中で登場するご自身を、先生はどんな気持ちで受け止めてくれるだろう。
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