こんにちは。本当の愛と幸せを届ける講演家 中村美幸です。

ご訪問下さり、本当にありがとうございます。

このブログでは、小児がんを患った長男(渓太郎)との闘病、別れを通して知った「幸せ」や「愛」、「命」「生きること」についてを綴らせていただいております。

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以前、中学校で講演をさせていただいた時のこと。

 

 

その日は、生徒さんに向けて「いのちと心の授業」と題した講演をさせていただき、保護者の皆さんがそれを参観するというカタチの講演会だった。

 

会場である体育館の前半分に生徒さんが座り、その後ろに保護者の皆さんが並んだ。

 

講演といっても、身につけているスーツが不似合いなほど、「渓太郎のお母さん」として話をさせていただく。

 

スクリーンに渓太郎と闘病中の写真を映し出しながら、その時に知った「本当の幸せ」や「生きること」について―――。

 

 

渓太郎の写真と、私の顔を交互に見つめる生徒さん。

 

 

なるべく一人ひとりとアイコンタクトを取りながら話を進めていると、目の前にいる生徒さんが穂花と健吾(渓太郎の妹と弟)のように見えてきた。

 

 

すると、居間にある渓太郎の写真を眺めながら、つい、つぶやいてしまう口癖を思い出した。

―――「穂花と健吾がいてくれて、本当に良かった」

 

 

 

生徒さんと娘と息子の歳が近いせいか、講演時間あとわずか・・・というところで、意識は「渓太郎の母」から後ろに並んでいる「保護者の一人」になった。

 

そこで最後に一つ、生徒さんに向けて質問をした。

 

 

 

「今日の話を聞いて、後ろに並んでいるおうちの人たちが一番強く感じたことは、どんなことだと思う?」

 

 

 

思春期の生徒さんだけあって、小学生のように大きな声では答えてくれないけれど、目のあった生徒さんの口の動きが、つぶやく応えを教えてくれた。

 

 

「悲しい・・・」

 

「かわいそう・・・」

 

 

口の動きが止まるのを見計らって、母親として最後の答えを静かに渡した。

 

 

「いろいろな気持ちが湧いてくると思うけれど、おうちの人が一番強く感じたことは、

 

きっと、みなさんが生きてくれていることへの感謝です。」

 

 

「あの子が、生きていてくれてよかった・・・って」

 

 

 

一瞬、生徒さんの動きがピタッと止まった。

 

そして、こころなしか背筋が伸びた気がした。

 

 

 

日常の中では気づきにくい。

 

自分がただ生きているだけで、どんなに多くの幸せを与えているのか・・・。

 

大切な人が生きていることがどれだけ幸せなのか・・・。

 

 

 

 

講演が終わると、ひとりのお母さんが近づいてきて、涙を流しながら声をかけてくれた。

 

「私たちの代わりに、親の気持ちを伝えてくれて本当にありがとうございました。」・・・と。

 

(娘と息子の名前は仮名です)

 

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~6/16(土)「いのちと心のおはなし会」@横浜みなとみらい が開催されます~

 

「生」と「死」と向き合い続ける生活の中で、渓太郎や一緒に闘病していた子どもたちから教えてもらったのは「幸せとはどこにあるのか」「愛とはなにか」・・・。

 

人の幸せは、置かれた環境や状況によって決まるのではなく、どんな状態であっても、心のあり方によって、最高に幸せな時間を過ごすことができるのだということを知りました。

それにより、過酷だったはずの私たちの闘病生活は、豊かで温かな幸せに包まれた時間へと変わっていきました。

 

少人数制のおはなし会です。

皆さんと近い位置で、幸せについて、愛について語り合えたら、そんなに嬉しいことはありません。

もしよろしければ、以下の詳細をご覧ください。みなさんにお会いできることを心から楽しみにしております。

 

「いのちと心のおはなし会@横浜みなとみらい」