今日の夕方、親戚の方から突然の電話。

川崎に住むおじさんが亡くなったとの訃報・・・。

脳腫瘍を患い、体の自由も利かず、

記憶が消えていくおじさんの介護をしていたのは

私と同じ年の息子のMくんだった。

数年前におばさんが亡くなってからは

ふたりきりの生活。

「施設に入れたほうがいいのでは・・・。」

という親戚の心配をよそに

Mくんは毎日食事を与え、お風呂に入れ、

おむつを交換をした。




そんなMくんが久しぶりに長野に来た昨年の春。

私は顔を見るなりMくんに言った。



「Mくん、エラいね。」



すると突然、Mくんが笑い出した。


(え・・・?)


動揺していると、

Mくんは笑ったまま私に言った。




「何言ってんだよ。

美幸ちゃんだってエラかったじゃん。」





(・・・エラかった。)




そんなこと、思ったことなかった。

17年間、一度も・・・。



「渓太郎が病気になったのは自分せいだ・・・」


「苦しい治療をさせてしまった・・・」


「お母さんなのに代わってあげることもできなかった・・・」



今になっても、自分を責めた。




Mくんに言われて、そっと自分に言ってみた。



「えらいね。がんばったね。」


涙が止まらない・・・


その時やっと気がついた。


私はずっと看病をし続けていたんだ。

渓太郎が亡くなった今でも・・・。