「インフォームドコンセントは不可能」梅澤充医師のブログより20 | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

ご訪問ありがとうございます。

私のリケジョ教科書的ブログ
   (元々、それを目的にしていたわけでは
   なかったのですが、コメント・メッセージ
   で要望もあったので…
   患者でなく周囲の方というメッセージ
   もあり…)
で本来、述べたかったことを、梅澤先生の、
12/25以降の記事が代弁して下さっています。

※医師・医療への不信に陥りかけたことが、
  患者の私にとっては、最も精神的にキツかった、
  それでも、私は医学的な『事実』(根拠)を追求したし、
  関係して下さった医師の方々も医学的な
『事実』(根拠)を誤魔化すような方々ではなかった、
  だから、不可解な出来事の経験があっても、いや、
  あったからこそ、 先生方や医療(限界はあっても)
  を信頼できているのです。   (3年経った時薬もある…)
 『診療ガイドライン』をベースに、
  医師の経験や患者の価値観を加味した治療が
  最良の治療、と、日本乳癌学会は述べているわけで
  読まない方も多そうだと気づいたから、
  『診療ガイドライン』の内容も自分の経験と共に
  お伝えしてきました。
  抗がん剤については、自分が 標準治療の有名どころの
  病院の医師たちから聞いた話(3年前)も踏まえ、
  量については梅澤先生が 長年の経験から『事実』
  をお書きになられているので、転載させていただき
  ました。
  全て、同病の患者さんのために、でした。
  自分の経験がお役に立てば、という気持ちでブログ
  記事を提供し、副作用状況や対策などを共有できれば
     (あくまで、今、有効な治療手段とされている、
      ~ その点は私もそう思います~
      抗がん剤の有効活用 のため)
  という方々の記事もリブロクさせていただきました。
  怪しい情報を発信してはならないと、大変、
  手間隙もかかってきました。
  でも、医療や医師を信じていない、あるいは不満の
  ある方々には通じず、誤解や非難を浴びた、
  虚しさを感じる結果となりました。残念です。
  
今年、6月以降(特に8月以降)、一番、
心を込め、力を入れたことです。
命に関わることだから…
   (結果は、『人間の汚さを見た』の通り
    心を病みかけてるけど…)

特に、今の私の心を代弁して下さった
かのような記事を
転載させていただきます。

梅澤充先生は、
以前からご紹介していますが、
「治らない癌」を長年、低用量の抗がん剤
による個別医療(保険診療)で
治療し続けていらっしゃる先生です。

梅澤先生より:(8月末)
    私の記事はどう扱っていただいても
    構いませんが、
    事実をお書きになって下さい。
    私はブログ上で『事実』しか
    書いておりません。

   梅澤先生の『事実』の文章を
   そのまま転載いたします。
   文字の大きさだけ、私の意図で一部
   変更しました。

=====

2017年12月29日

日本には、
「インフォームドコンセント」と言う言葉は
存在していますが、
患者さんがシッカリ納得する、
インフォームドコンセントなど、
何処にもありません。

日本には、何も知らない患者さんを、
「標準」に導くための
誘い文句があるに過ぎません。


命に関係しない病の場合には、
その病の治療について、
患者と医者の双方で、
納得がいくまでの説明も理解もできるかも
知れません。

しかし、ガンと云う、
いのちに直結する病の場合、
まして、治ることがない、
手術不能の固形ガンなどの場合、
「共存できるようになりました。」
などと、
言い回しを、
いまさら少し変えただけのトボケタた、
セールストークを
並べても、
患者さんは、
何も知らされないまま、
腫瘍内科医だけが望む標準に突き進む
ことには、
何ら変わりはありません。

「共存できる」とは言っても、
その期間も、
その後の結果についても、
一切、何も言いません。
挙句には、
「緩和ケアもガン治療」
などと目先を変えてしまいます。

その原因には、
現在の日本の腫瘍内科の存在そのものが、
製薬会社抜きには、
存在し得ない事情もあります。
しかし、それよりも、
死という当たり前の
自然現象を、
理解しようとしないで、
むしろ、
その思考回路からは
距離を置いて、
今の生活を楽しむという、
日本人の平和ボケが、
悲劇的な
インフォームドコンセントを
生んでいるような気がします。

インフォームドコンセントを実施している
フリをする医療者は、
その日本の患者さんの心理をよく知っている
のだと思います。
ガンの真実を話せば、
必ず、死についての話題に触れないわけには
いきません。
それを話すと、患者さんは逃げてしまいます。

少なくとも、
ガン治療に関わる医療者は、
人間の死をたくさん観てきています。
多くの臨終の瞬間も経験しています。

死の意味に対しては、
個々の医療者それぞれで、
シッカリ理解しているのではないかと
思います。

医療者に悪気が無かった
としても、
死を意識したことがない、
普通の患者さんに対して、
死という自然現象は、
誰にでも必ず起きるという
現実から、
理解してもらうことは、
事実上不可能なのかも
知れません。

腫瘍内科医の言う、
欧米に比べて、
30年遅れているという日本のがん医療は、
ハード面では、
まったく引けを取りません。

しかし、精神的なサポートと云う
ソフトの面では、
ローラーで塗り固められたような
確固たる宗教的思想が無い、
それを失ってしまった、
現在の日本では、
遅れていると言われても仕方がない
のかも知れません。

日本人が、
死という当たり前の
自然現象を、
理解しないうちは、
日本には
インフォームドコンセントは、
存在しないように感じます。



以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。


=====

かなり同感です。

私自身は、今のところ主治医(乳腺外科医)
との間で、インフォームド・コンセント
(納得できるやり取り)は出来ている
つもりです。
が、ブログを始めてみて痛感したのは、

①患者に「治らない」と言うのは非難を浴び、

②抗がん剤の限界(治せない)を知らない、
 または認めたくない患者が大多数で

※私も量を増やせばよいと勘違いして、
 3ヶ所セカンドオピニオン巡りもして
  諭されて理解した、珍しい経験があるから、
  悟れただけかもしれません

③無治療・緩和を受け入れられる患者は
  少なく

④医師からネガティブな?『事実』を
  聞かされることに文句を言う患者も多く

⑤医師、医療に、本来の役割以上のことを
  期待しすぎている患者も多く

本質的には、
梅澤先生がお書きになられている通り、
死と向き合った上で、
冷静に抗がん剤の実力を見極め、
有効活用出来る患者は少ない、
ということだと思います。

本来のインフォームド・コンセントは、
望んでいない患者も多そうです。
医師が事実を伝えてくれなくなることの怖さ
を感じる患者は少数派なのかもしれません。
自分だけでも、
納得のいくインフォームド・コンセントを
継続したいものだ、と思います。

因みに、私の場合、
「少ない量で効かなくて、かえって命が
 縮んでも責任は持てない」とは、
私の主治医にも言われました(笑)。
「標準量で責任持てるのですか?」とまで
聞きませんでしたが(笑)、
今までの関係から、「自己責任」であっさり
了解はされています。
実際、病院の仕組み上、運用してもらえる
のかは、まだ転移していないので不明です。