2年半前に調べたロードマップ通り?
6月6日付けで、中外製薬から、
APHINITY試験の結果がニュースリリース
されてますね。
(開発元のロシュ社が6月5日付けで発表)
再発または死亡の相対リスクを19%、
統計学的に有意に低下
(浸潤病変の無い生存期間を延長)
させた、と。
※19%を誤解のなきよう。
(統計学の説明は省略します)
3年時点で、
・パージェタ群の94.1%
・プラセボ群の93.2%
で、再発せず。
安全性(副作用)は、これまでの臨床試験で
確認されたものと同様で、新たな懸念なし。
パージェタもさることながら、
ハーセプチンの力を改めて感じました。
ただし、この試験、「早期」乳癌患者
なのですよね。
「局所進行」は含まれていなかったかと。
それに、まだ経過年数3年ですし。
でも、HER2乳癌の怖さからすると、
ロシュ社様、(中外製薬様)
ハーセプチン様、
パージェタ様、
ありがとう
ですよね🎵
術前・術後化学療法が終わってしまった
私は、もはや関係ないのですが、
後進のHER2陽性乳癌患者のために、
中外製薬のロードマップ通り、本年度に、
新薬の承認がおりますことを、
お祈りいたします。
この記事だけお読みになる方が
誤解をするといけないので
念のため補記します。
私がまだ使えなくて悔しい思いをした
▼術前化学療法のパージェタは
欧米から約5年のドラッグラグを経て
術後補助化学療法(こちらはドラッグラグは
約1年、劇的に短縮した)とともに、
昨年(2018年)、認可されました。
トリネガ向けアテゾリズマブ(テセントリク)
は、手術不能な局所進行(ステージ3B、3C)
も臨床試験対象に含まれ、認可されました。
私の5年前の残念だった思いは
昇華しました。
(私が今から再発転移リスク軽減のために
使えるわけじゃないですが、
同病、同ステージの後輩患者さんたちの
ために、そして医療の進歩が喜ばしく
嬉しく感じています。)
因みに
▼私が初期治療(術前化学療法)をした
2014年当時でも、
転移性乳癌(ステージ4)には
パージェタは認可されていました。
▼ステージ4でも寛解(根治かもしれない)例
が出始めていることは、
その後発信した記事で、
折に触れて挟んできました。
▼2019/9月のESMOでは、国内での
同様試験COMACHでも有効性が再確認
されたことが発表されました。
全員(ないし、ほとんどの)乳癌患者を
治せる治療は、
残念ながら、まだありません。
だから、医学界、医薬界が研究を進めて
下さっていて、
臨床試験の結果が出ると、
それを反映して
標準ガイドラインも進化するし、
新薬は保険診療として認可されていきます。
CLEOPATRA、COMACH、APHINITY
などの臨床試験結果から
HER2陽性では、
ステージ3(まで)
・術前化学療法
アンスラサイクリンおよび
ドセタキセル+ハーセプチン+パージェタ
⇒術後補助療法
ハーセプチン+パージェタ
ステージ4
・1stライン
ドセタキセル(6回まで)
+ハーセプチン+パージェタ
が現在のゴールドスタンダード
となっています。
※私は中外製薬の回し者ではありませんが
HER2タイプ
(トリネガ再発転移の可能性あり)
乳癌罹患者としてハーセプチンの
恩恵にあずかり、
パージェタ、アテゾリズマブを
次々開発し、治療を受けられるよう
認可申請、認可にこぎつけて下さった
ロシュ/中外製薬さんに感謝し、
今後の研究開発にも期待しています。
DS-8201の第一三共さんにも
期待しています。
(2019/11/2 紫字追記)