これまで、Konica I型、II型の調査をしましたので、仕上げはIII型です。
Kenko-Tikina HPによると、以下のIII型は以下の3機種(レンズとシャッターの違いで6機種)が発売されました。
https://www.kenko-tokina.co.jp/konicaminolta/history/konica/1950/list.html
1956年9月 コニカ III MFX セルフコッキング機構等が採用された「コニカ II 型」の後継機
1957年4月 コニカ III MXL ライトバリュー方式が採用された「コニカ III 型」の一つ
1958年3月 コニカ III 2.4 「コニカ III 型」の一つ
1958年4月 コニカ III A 「生きているファインダー」と呼ばれたファインダーを搭載した「コニカ III 型」の一つ
1958年7月 コニカ III A1.8 「コニカ III A」にヘキサノン 50mm F1.8を搭載した「コニカ III 型」の一つ
1959年3月 コニカ III M 露出計が初めて内蔵された「コニカ III A」の改良機
【1】Konica III
上部に「Konica III」の刻印
Konirapid-MFX 48/2.0付き Seikosha-MXL 48/2.0付き Seikosha-MXL 48/2.4付き
【2】Konica IIIA
上部に「Konica IIIA」の刻印
Seikosha-MXL 49/2.0付き Seikosha-MXL 50/1.8付き
【3】Konica IIIM
上部に「Konica IIIM」の刻印
Seikosha-SLV 50/1.8付き
【4】調査結果のまとめ
(1)Body製造番号は、III型が100,xxx〜、IIIA型が300,xxx〜、IIIM型が400,xxx〜となっており、推定生産台数総計は197k台。
IIIA型の製造番号が200,xxx〜とならなかったのは、III型が201,xxxに達したため。
最終モデルのIIIM型(1959年3月発売)が21k台と少ないのは、僅か6ケ月後の1959年9月にKonica Sが発売されたため。
Konica Sシリーズは、1961年 SII、1963年 SIIIで終了。以降は、
Konica Auto Sシリーズ(1963年Auto S、1964年Auto S2、1966年Auto S2EL & Auto SE、1967年Auto S1.6)に切り替わりました。
(2)Lens製造番号は、48/2.0が3,615,xxx〜、48/2.4が2,411,xxx〜、50/1.8が3,110,xxx〜で、推定生産台数総計は199k台(137+5+57)。
この中で、Hexanon 48/2.4付きIII型が一番少ない(5k台)。レンズが暗いので、余り売れなかったのかな?
僅か1絞り程の差なのですが、大口径レンズの方が見た目も立派で、購買意欲も湧いたのでしょう。
(3)BodyとLensの製造番号からの台数は一致するので、III型総計約20万台が製造されたと思われる。
(4)I型、II型に見られたように、Body製造番号対応でIII型にも部品(Shutter & Lens)のオーバラップ(混在)が認められる。
恐らく、在庫一掃されるまで新旧部品が混在した形で製造されたのでしょう。
(5)Konica I〜III型のBody製造番号から推定した生産台数総計は、I型100k台+II型133k台+III型197k台=430k台。
以前調査した、Samocaflex(3k台)、Auto Terra(5k台)に比べて格段に多く、Konica I〜III型は比較的容易に入手可能です。
と言うことで、Konica I〜III型の調査は一段落です。
この中で、バリエーションの多いII型が戦後の混乱の歴史を彷彿とさせ、興味深っかたです。
こにかくに戦後の歴史世につれて