toujours à ton côté トゥジュー ア トン コテー(いつもあなたの傍に)⑯ | 美夕の徒然日記。

美夕の徒然日記。

鬼滅の刃最高!
炭治郎大好き!

「  僕の妻になって欲しい…。」

フランソワーズの左手の薬指に指輪を嵌めながら、ジョーはその言葉を伝えた。
 その言葉はフランソワーズの心に染み入り、彼女の胸を熱くした。
   
「 ジョー…あたし…」

薬指に嵌められた指輪を見たあと、フランソワーズは手に抱えていたダーズンローズの薔薇の花束に視線を移す…。
今日と言う日は何と幸せな日だったのだろう、そうフランソワーズは思う。
ダーズンローズとガーネットのエンゲージリング…。その両方をジョーから贈られ、これ以上の幸せはないと、フランソワーズは思う。
そしてそれ以上に嬉しかったのはやはり、今告げられたジョーの言葉だったのだ。
   熱いものが込み上げてくるのを、フランソワーズは堪えた。涙は禁物だと、そう思った。
けれどもとうとう堪えきれなくなり、フランソワーズは涙を流した…。
その涙は彼女の頬を伝っていった。

「 フランソワーズ…。」


ジョーはフランソワーズの身体を抱き寄せると涙が伝う彼女の頬にそっと口付けた。

「 どんな事があろうと、君を守って行くから…。」

  
「 いつも、あなたの傍に居るわ…。そう、ずっと…。」


 ジョーの優しい腕の中で夢心地でフランソワーズは呟く様に言った。
そうしながら、フランソワーズは思う。
たとえどんな事があろうと、決してジョーの傍を離れまいと…。

「 あなたが好きよ、ジョー。心から愛しているわ…。」

  そう言った後、フランソワーズは静かに目を閉じ、その時 ゛を待った…。

「 心から…愛している…。」

囁く様に言うと、ジョーはフランソワーズの頬から唇を離すと、彼女の唇にそっと口付けた…。
 ジョーからの口付けを受けた瞬間、フランソワーズの閉じた目蓋から再び涙が…。 
   ジョーとフランソワーズは互いを慈しむ様に口付けを交わした。
二人にとってそれは初めての口付け…。
フランソワーズはこの上ない幸福感に包まれるのだった。



   そして…。


初めて口付けを交わした二人は、寄り添い、再びセーヌの河岸を歩きだした。
 街頭に照らされているセーヌ河はもとより、
遠くに見えているエッフェル塔も、全て美しく、
その光景はフランソワーズの心を大きく捉えた。
いつも見慣れている光景だったが、今夜は特別に綺麗だと、フランソワーズは思った。
それはきっと愛する人と共に過ごしているからなのだと、彼女はあらためて思う。

「 この夜景を見るのも、今夜が最後なのね…。」

そっとフランソワーズは呟く。
感慨深げに、彼女はセーヌ河とそしてエッフェル塔を見つめた。そうしながら、一抹の寂しさを感じずには居られなかった。

「 新婚旅行は君の故郷である、この街に来よう…。」

 フランソワーズの気持ちを察したジョーはそう彼女に言った。

「 ジョー…!ありがとう…。」

フランソワーズにはジョーのこの優しさが心から
嬉しいと思った。

 「 早く、君の花嫁姿が見てみたいな、フランソワーズ。」

少し照れ臭そうにジョーは言う。
それはジョーの心からの願いだったのだ。

「 ジョーったら…!んふふ!」

頬を赤らめるフランソワーズもまた、ジョーと同じ思いだった。
1日でも早く、ジョーの為にウエディングドレスを着てみたいと、彼女は心から思う。
 そして、遠く離れた日本に居るギルモアに、フランソワーズは思いを馳せた。
 誰よりも幸せを願ってくれたギルモア…。
その彼にも、花嫁姿を見せたい、そうフランソワーズは思った。


「 きっと幸せになるわ…。あなたが傍に居るから…。」


 ジョーの腕に自分の腕を絡め、フランソワーズは彼にそっと寄り添う。
そして心に思い描き、願う…。
 平和な日々がずっと続きますようにと…。


Fin…