Je t'aime pour toujours-永遠に愛してる⑵ | 美夕の徒然日記。

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 朝陽が照らす海の波間を、フランソワーズは
じっと眺めながらふとジョーの言葉を思い浮かべた。
今朝、仲間たちの前で言った一言。そして忘れもしない、パリで過ごした時での言葉…。
 あの時、フランソワーズの耳には、確かに聞こえて来た。
…いつか君の花嫁姿を…

あれは一体どう言う意味だったのだろう?
そして今朝言ったジョーの一言。
誰よりかけがえのない大切な人…。
  
「 ジョー…。」

フランソワーズの脳裡にジョーと初めて出会った日の事が過ぎった。
 恐らく、あの日からそう…
ジョーに心を惹かれていたのだ。
  ジョーと共に戦っで来た日々…
それは辛く悲しい日々だった。
だがジョーが傍に居たからこそ、どんなに辛い事も乗り越える事が出来たのだ。
   そんな日々の中で、ジョーへの想いはいつしか強くなっていった。
一度も言葉にすることはなかった。
ただ、ジョーの傍に居れば良いのだと、フランソワーズはそう自分に言い聞かせて来たのだ。
 
「 あなたが…好き。ジョー…」

フランソワーズの口から、ジョーへの想いが溢れだした。
その瞬間、彼女の頬を涙が伝い、フランソワーズは思い知らされた。
もはや、自分の気持ちを偽る事は出来ないのだと…。
  
  フランソワーズがジョーへの想いを吐露した時だ。

「 フランソワーズ…僕も同じ気持ちだ。」

不意に後ろから声がした。
 
「  ジョー…!?」
思わずフランソワーズは振り返った。そして次の瞬間、驚きの余り声を失いそうになり、その場に立ち尽くした。

「 フランソワーズ…。」

ジョーはそんなフランソワーズを優しい眼差しで見つめていた。

「 ジョー…あたしは…」

思いも寄らぬジョーの言葉…
そして自分の吐露した気持ちをジョーに聞かれ、心を知られてしまった事…
  フランソワーズの中で様々な想いが交錯した。

「 フランソワーズ…。君が好きだ…」

そう言うと、ジョーはフランソワーズの身体を抱き寄せた。

「 ジョー…」

夢にまで見たジョーの腕の中…。どれほどこの瞬間を心に思い描いて来たことだろう。
 これは夢ではないだろうか?フランソワーズは信じられぬ想いでいっぱいだった。

「 フランソワーズ。初めて逢った日から、ずっと好きだった。」

 ジョーはフランソワーズへの想いを吐露すると、フランソワーズを抱いていた腕に力を込めた。
  フランソワーズはそのジョーの想いを知り、熱い物が込み上げてくるのを覚えた。

「 ジョー…あたしも、同じよ。あの日からずっと
あなたが好きだった…。」


フランソワーズの頬を涙が伝う。

「 フランソワーズ…」

ジョーは優しい眼差しでフランソワーズを見つめると、彼女の頬に唇をよせた。

「 愛してる…フランソワーズ」

頬を伝う涙を、ジョーは唇でそっと拭う…

「 ジョー…」


フランソワーズは静かに瞳を閉じた。
高鳴る鼓動を感じながら…


そして…



二人はどちらともなく唇を寄せ合うと、そっと重ねた。
 それは二人が交わした初めての口づけだった…


  長い口づけの後…



 ジョーの腕に包まれたフランソワーズは漸く訪れた幸福を噛み締めて居た。
 寄り添うフランソワーズの肩を強く抱き締め、ジョーはあらためて思う…
 必ずフランソワーズを幸せに…。そしてずっと守り抜こうと。

「  フランソワーズ。次のレース…モナコGPが終わったら、君の故郷パリで結婚しよう…」

 フランソワーズの髪に口づけしながら、ジョーは
そう彼女にプロポーズの言葉を告げる。
 瞼に涙を浮かべながらフランソワーズは大きく頷いた。
  愛を確かめ合い、そして結婚の約束を交わしたジョーとフランソワーズ…。
やがて二人は寄り添いゆっくりギルモアや仲間達が待つ我が家へと歩き出した。
  
 「ジョー…。永遠に 愛してるわ…」

ジョーの腕に包まれながらフランソワーズはそっと呟く…
これから始まろうとしている新しい日々を思い描いて…


fin

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