朝から雨が降っていた

夕方
玄関を開けると
まだ降っていたので
傘をさしてバラを見に外に出た

ほんの少しすると
バラに明るいひかりが射しはじめた

お日さまが顔を見せた

これはわたしとお日さまのコンタクトだと
また変なことを思った
のんきにこんなことを思えることは
幸せな時間だ





お日さまは
2、3分間
バラたちを照らすと
また雲のなかに隠れた











ありがとうございます
そう伝えた






夕刻

雨は強くなった
川を流れる水の音
川から立ち上がってくる靄





思わず
山の神さまが守りたもう
この風景
そう思った
そうとしか思えない静かなる荘厳






夜を迎える

偉大なる深林美
まさに

暗くなってからの山は
さらに神秘的だ


ここに立ったならば
きっと誰もが
神々の統治を感じるだろう





 わたしみたいなものでも

何か役に立てることはないだろうか

この世界のために

そう思わずにはいられなくなる





4月

三峰神社に登った時のバスのなかで

前に座った男性たちが

チチブオウカミの話をしていたのを思いだした



すごい山だな


それにしても

ぽつりぽつりと集落があるけれど

なぜひとは

ここに住もうと思ったんだろう


林業に従事しているひとたちだろうか


チチブオウカミの話を知ってるか?


聞いたことは

ある


いても不思議ないよな

いや

人知れずに住む動物たちがいないんだと断定する方が無理あるな

それにしても深い山だなぁ

息子を連れてくればよかった