いつ植えたのか
記憶がないと
母は言う
台所の前にある小さな花壇
あそこに綺麗に赤いバラが咲いたのよ
ほら写真
あら綺麗だ
母は
それだけ言った
どこで苗を買ったのか記憶はないと言う
誰かから枝をもらい
さし芽したのかもしれないね
うん、どうだか忘れちゃった
そんなわけで
剪定もつるの誘引もされていない
つるバラキングは
野放図で
自由に枝葉を広げていて
気持ちがいい
ここに来て
この赤いバラを撮っているとき
いつも
いつもウグイスが鳴いている
このウグイスは
他の若いウグイスに鳴き方を教える師匠
間違いない
この赤いバラ・キングは
花の直径は5センチほど
その名の通り
かなり強健なバラ
3メートルはあろうかという長いつるを
あちらにこちらに伸ばし
あちらこちらに赤い花を咲かす
まだ3分咲き
今朝は雨
赤いバラは雨に濡れる
ウグイスは今朝も鳴いている
雨のなかで
ウグイスの声を聴きながら
赤いバラを愛でる
写す
これほどに
わたしをご機嫌にしてくれる時間が
ほかにあるだろうか
悲しみも
切なさも多い
世の中だもの
好きな時間を
わたしはわたしに
贈りたい
みんなで
そうしようよ
難しく考えないで
シンプルに
ただ好きな時間を過ごすこと
好きな時間は大好きな時間になるかな
その時間は
大切な大切なあなたから
大切な大切なあなたへのギフト
みんながみんな
少しずつでいい
その時間で
埋め尽くしたら?