シアトル郊外の小さな町が物語の舞台となります。
海兵隊員のジェドが休暇で帰省中のある朝、上空に無数の空挺部隊が現れた。
この武装勢力の侵攻に、ジェドは弟や友人と共に町を抜け出し、山中の小屋に身を隠すのだが・・・
この映画の最大の問題が、このアメリカ全土を占領する侵略軍と言うのが北朝鮮(!)だと言うこと。
「ホワイトハウス・ダウン」のテロリスト設定でも無理があったのに、そんな北朝鮮がアメリカ全土占領など、正に荒唐無稽としか言い様がないものになっています。
勿論、これには裏があり、実は、当初のシナリオでは、敵は中国でした。
ただ、今やアメリカ映画の海外最大のマーケットであり、しかもスポンサーでもある中国を敵役に据えるなど、商売上、出来る訳がありません。
それでも、この映画、撮影終了までは敵を中国とする事で作業は進められており、撮影後に中国の国籍表示を全てCGで修正、台詞も差し替えたのだとか・・・
その修正だけでも1億円以上の追加費用を要し、2009年に撮影終了していたのにも関わらず、完成と公開がここまでずれ込んでしまいました。
まぁ、そんな商売上の都合で、設定が滅茶苦茶になってしまいましたが、それでも、これはなかなか見所もある映画です。
その最大のポイントはジェドの台詞、「イラクではオレたちはヒーローだったが、ここでは悪役だ」に示される、テロリズム肯定。
ジェドの戦法は、自動車爆弾に、検問所襲撃、対要人時限爆弾と、イスラム過激派ゲリラや、ベトコンそのまま。
テロリストを悪魔の如く非難するアメリカ人でも、国を占領されたら侵略国の軍隊に対してはテロリズムをも辞さずにゲリラ戦を仕掛けるのだ、と言う描写はなかなか辛辣で、痛烈な批判となっています。
(参考)http://natashaeiga.blog.fc2.com/