素直で魅力あるあなたへ
パートナーシップと性のカウンセラー
小野美世です。
今回の私の本を読んでくださった方から
「書店でこの本を見かけたら、『はじめに』だけでも読んでみてほしい」
という言葉をもらいました。
でもなかなか、書店に行かなかったりする。
書店が遠かったりする。
今は書店が閉まってたりする。
興味があっても、まぁいいか…とそのままだったりする。
私もながらく書店から遠ざかってたのでわかる。
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そんなわけで、「はじめに」をブログでも公開することにしました。
誰にも言えない夫婦の悩み相談室
はじめに
悩んでいるのは、あなただけじゃない。
このことで悩むあなたは、おかしくない。
それをお伝えしたくて、この本を書きました。
こんにちは。心理カウンセラーの小野美世です。
夫婦関係や恋愛パートナーシップ、そして性のことなどをテーマに活動しています。
私のもとへカウンセリングにいらっしゃる方の多くは 20 代から50 代の女性で、ご相談の内容は主に、夫婦不仲に関する悩み、具体的にはセックスレス、夫に対する生理的嫌悪感、婚外恋愛(不倫)などです。
「夫といるとイライラしてしまいます」
「夫に甘えられない、頼れない」
というお声から、
「夫のことを男として見られません。いい人だとは思うけど……」
「夫に嫌悪感が……」
「産後、夫とセックスしたくなくなりました。夫はしたいようだけど、私は寝たふりをし
て避けています」
「夫とはレスです。外に彼ができてしまい、夫と離婚するか悩んでいます」
「夫にセックスを拒否されていて、もう一生できないのかなって落ち込んでいます」
といった「性の悩み」まで様々です。
私のブログを読んでくれた皆さんからも、性に関する悩みが多数寄せられています。
人間にとって、そして夫婦にとって、「性」は最も重要なテーマのひとつです。
でも「性のこと」って、誰しも胸の内にしまいこみやすく、特に女性は、夫や恋人の前で自分の気持ちを言葉にするのもなかなか大変です。
そこで私が代わりとなって、あえてはっきりと書くようにしています。
ここまでリアルに言っちゃっていいんですかと、びっくりされることもよくあります。
はい、大事なことなので、包み隠さずに述べています。
私が性のことを発信していると知ると、たいていの方は「え !? あなたが？」と驚きの反応をされます。
私がおとなしそうで、まじめそうで、優しそうに見えるからでしょう。
「こういう普通の人は、性のことなどあけすけに口にしないものだ」と、皆さん思われているようです。
じゃあなぜ、そんな普通の私が、性について語っているのか。
それは、私も過去、結婚する前にお付き合いしていた彼とのセックスレスに悩んだ経験があるからです。
今のように「セックスレス」という言葉がまだ一般的でなく、ネット上にもほとんど見られない時代でした。
こんなことで悩んでいる私はおかしいんじゃないだろうか。
友達にも話せない。親にも言うわけにいかない。
誰にも私の気持ちをわかってもらえない。
そんなふうに感じていました。
あのどん底だったときに、誰かが私の隣で「大丈夫だよ」と言って一緒に走ってくれたらなぁ…。
そんな思いから、性のテーマを扱うカウンセラーになり、あのときの私のように「人に言えない性の悩み、夫婦の悩み」を抱えている女性たちに向けてブログを書いたり、セミナーをしたりしています。
これまでにたくさんの女性からお話を聞いてきましたが、未婚・既婚を問わず、パートナーとの関係がうまくいかないとおっしゃる皆さんに共通点があるとすれば、それは、
*男性に負けたくないという気持ちがある
*ついつい男性と戦ってしまう
*自分の本当の気持ちを相手にさしだしていない
そして、
*性のことについて、自分を縛る価値観を持っている（持たざるを得なかった）
*性のコミュニケーションについて、知らないことがたくさんある
ということです。
負けず嫌いでがんばり屋さんであるがゆえに、「しないほうがいいこと」までやってしまい、男性とのパートナーシップでつまずいている人がとても多いのです。
「その『しないほうがいいこと』を、今まで全部やっていました…」というお声をどれだけ聞いたでしょうか。
でもそれは、皆さんが悪いというよりも、「知らなかった」それだけなんです。
コミュニケーションの方法と、自分のあり方を変えれば、現実が変わっていきます。
ただ、セックスについてのコミュニケーションって、一番難しいのです。
実は気持ちよくないのに、そう言えない。
本当はしたいのに、そう言えない。
相手はしたくない、でも私はしたいとなったとき、「その先の話」ができない。
そんなわけで、夫婦のセックスは「するかしないか」「０か１００か」「挿入か拒否か」になってしまいがちです。
けれども、できることは他にもっともっとたくさんあります。
０と１００の間に、あなたと彼だけのオリジナルの性的関係を作っていくことができます。
そういうことを、皆さん知らないのです。あなたが悪いのではないのです。
ただ知らないだけなんです。
そして例えば、「相手はしたくない、私はしたい」と食い違ったまま平行線が続き、もうどうしようもない状態に陥ってしまう場合もあります。
そのときには、結婚という枠組みの中にあっても、「夫婦のセックスで、自分だけが犠牲にならない選択」「自分を苦しめない選択」をしていかないといけません。
こういうことを具体的に、優しい言葉で、ブログに書いているおかげで、とてもたくさんの方から感謝の声が届くようになりました。
皆さん最初は、「え !? 」「はっ !? 」となって、驚かれるのですが、読み進めるうちに、いろんなチャレンジをしてくださるようになります。
その過程で、自分を縛っていたものから解放されて自由になり、夫との仲がよくなったり、赤ちゃんを授かったり、逆に自分の気持ちが明確になって離婚を決意したり、新しい彼ができたり……と、それぞれの方法で幸せになっています。
そして自分自身との関係を作り直し、より幸せになっていかれます。
男性を見張り、男性と張り合い、素直になれずに我慢ばかりしていた世界から抜け出し、もっと楽で、もっと自由で、自分を優しい目で見られる世界に移っていけるのです。
今、この本を手にとってくださったあなたのことも、ぜひそんな世界にお連れしたいと思います。
悩んでいるのは、あなただけじゃない。
このことで悩むあなたは、おかしくない。
それでは、自由な世界への扉を開けましょう。
２０１９年８月
小野美世
たくさんの、この本を必要としている人に届くことを願って。