カウンセラーの小野美世です。
昨晩は夫が、
「今日は(Facebookの私の投稿に)いいねもコメントもしづらかった…」
と言って帰宅しました。
すごい反響でした。
一昨日の記事は、1年半前のなんだけどね。
今のほうが、響くみたい。そういう時期なんだなぁ。
そして、たくさんの人の、思い出したくない、そっとしまっておきたかった、そんな記憶にも触れてしまったのかもしれない。
ちなみに、昨日の記事では、
一般的な産後の女性の気持ちは、こうだよ
というのを書いてみました。
「それを言っちゃいけないと思っていた」
「そう思ってもいいんだ」
ってコメントもありました。
これをそのまま夫たちにぶつけても、
あの言葉でそのまま伝えても、
揉めることが大半でしょうねぇ。残念ながら。
男性も、日々仕事をしている上に、家での家事育児がプラスされていくわけで、
30代~40代は、会社での責任的なものもどんどん増やされていく時期だし、板挟みになりますしね。
で、男性は、女性に、上からあれこれ言われるのを嫌がる人が多い。
(これは私の夫を見ていてもそう思うし、実際本人もそう言っています^^;)
なので、男性への気持ちの伝え方や、自分の中での気持ちのつかみ方として、「負けるが花」を使ってほしいのですよね。
産後の、気持ちが荒れた状態からいきなり使えるわけないから、結婚してから、なんなら恋愛中から使ってほしいなってやっぱり思います。
私自身も、「産後」でとにかく鍛えられました…。
暴言を吐いたら、自分から謝る、とか。
相手に任せるんだったら、全部まかせる、とか。
興味のある方は、負けるが花テーマの記事も、読んでみてくださいね。
さて、昨日の回答の続きを書きたいと思います。
ご相談はこちら。
↓↓↓
このご夫婦の産後の家事育児についてのコミュニケーションは、きっとそんなに悪くないのだと思う。
妻が中心、とは書かれているけど、
きっと旦那さまなりに、奥さまに気持ちを向けているからこそ、
「セックスのない状態がつらい、してほしい」と、「夫側の願い」を伝えたときに、
受け入れられているんじゃないかと思います。
で、今日もまた、男性女性ともに、「産後の夫婦のスキンシップや性のかかわり」について知っておいてほしいことを書きますね。
カウンセリングでよく話してきたことです。
妊娠・出産・育児の期間は、夫婦にとって、嵐のようなもの。
「2人の関係」で築いてきた家が、嵐によって、崩壊する。あとかたもなくなる。
家の土台だけ残った状態から、「夫婦+子どもの3人の関係」で、新しい家を作り直していくのが、育児の期間。
いつも、こんなようなことをお伝えします。
これはどこかに書いてあったとかではなく、私の経験談でもあるし、多くの方のお話を聞いてきて思ったことでもある。
そして、なぜこれを誰も教えてくれなかったのだろうと思うことでもある。
知っていたら、事前に夫婦で話しておくということもできるかもしれないのに、と思ったことでもある。
2人の時期が終わって、3人での新しいバランスを作りなおすことになるのです。
これは、
家事のこともだし、
仕事のこともだし、
休日の過ごし方もだし、
一日のスケジュールもだし、すべて。
性のかかわりもそうです。
性のかかわりも、そうです。
2人のときは、時間があって、ゆっくりできるときに、
「ねぇねぇ」と服をひっぱればそのままベタベタできたでしょう。
でもそこに、生命維持を必要とする可愛い小さい人が加わると、
「ねぇねぇ」と言ったとたんに、小さい人が泣いたり、
妻の意識が常にそちらに向いていて、こっちを向くことができなかったり、
逆に、夫が、妻+子に近づけなくなったり、様々なことが起こります。
そう、もう、結婚前の2人の状態、出産前の2人の状態には、戻れません。
あとかたもなくなってしまったと思ったほうがいい。
ここからまた、新しい関係を作り直していくのだと思ってほしい。
性の関係も。
夫婦+子どもとなった状態で、
また新しく、性の関係を、夫婦間で作り直していくのです。
この認識は、男性女性どちらにも持っておいてほしいと思う。
なぜかというと、
あのときのように戻らないと
出産前のようにできるようになるはず
以前はそうじゃなかったのに
こんな気持ちが、男女お互いを苦しめるからなんだよね。
以前、チャクラセラピストゆきぴぃとのコラボ企画のとき、
「拒否する私」というテーマで少しお話をしたことがありました。
セックスを、拒否する私、ね。
既婚の方が大半だったので、この嵐がやってきて全部つぶれてまた一から作り直しだよっていうお話もしました。
その時にね、ある方がこう言ったんです。
「前の状態に戻ろうとしなくていいってことなんですね…」
私「え、そうだよ。だってもう、前には戻れない。
「前の状態に戻らないといけないんだと思って、それがつらかったです…」
なんかこう、胸がキュッとなって、何とも言えない気持ちになったよね。
そっかそう思ってたんだね、と。
あの状態に戻るはず、と。
相手からもそれを期待されるように感じるのかな、と。
でも、その自分の気持ちが重荷になって、ますますセックスが嫌になるんだよね。
そう思ってるって、相手に言えないし、余計に、セックスが「避けたいこと」になり、できればせずに過ごしたいことになってしまう。
セックスにつながるであろうスキンシップすら、嫌だなと思うようになってしまう。
これは、きっと夫婦お互いにだと思うけど、
「思っているけど、相手に言えないこと」
「感じているけど、相手に言えないこと」
「感じているけど、自分でどう言葉にしていいかわからないこと」
が、性のかかわりにはたくさん存在する。
言えない。
言っても否定されるだろう。
言ってもわかってもらえない。
言ったら傷つける。
言ったら怒られる。
言ったら気まずくなる。
言ったら自分の自由がなくなる。
この相談者さんご夫婦は、セックスのことについても、多少話し合える空気が、二人の間にあるのかなと思う。
これはだいぶ勇気がいるかもしれないけど、
もう少し、それを、深められるかもしれないね。
この「思っているけど、相手に言えないこと」を、自分も言い、奥さまにも言わせてあげられるといいね。
言われたら自分は傷つくかもしれない。
それを覚悟で「言われる」
不思議なんだけど、性のことに関して、
「これ言っていいんだ」
「これを言っても怒られなかった」
「相手にとったらつらいことなのに、受け止めてくれた」
と感じると、女性側は、ほっと安心できるのです。(少し、であろうとも)
そうなると、産後の夫婦の関係が、性のかかわりを含め、よくなる可能性が上がる。
これは、ずっと前から私が思っていて、
カウンセリングでも多くの女性に話していて、
できたら男性側にすごく知ってほしいことなのだけれど、
前回の記事で書いた、
産後の女性の心と身体の状態をわかっていて、
性のことも夫婦間で、ある程度話すことができて、
自分が言われて傷つくことも、頑張って受け止めてみようという覚悟ができた方になら、お願いしたいと思うことがあります。
それは次の記事で書きますね。