今でこそ口が達者になり、
こちらをイラつかせるような
小憎らしいことや減らず口を叩く息子ですが、
小学生のころは、口数が少ない子でした。

学校のことも話さないので、
何があったかもよくわからない。
いじめられた時は話してくれたので
すぐに解決できましたが、
相変わらずよくわからないままでした。

小1の担任は2年目くらいの
若い女性の先生。
経験が浅いというだけで陰で
「ハズレた」などというお母さんもいました。
でも、いじめられている、と話した後に
すぐに対処してくれたこともあって、
私は信頼を置いていました。

ある時、珍しく息子が
「学校で誰かが悪いことをした時に
みんなも一緒に怒られるんだよ。
それがイヤだ。
悪いことしてないのにおかしいよ」
と怒りながら言ったことがありました。

なるほど、連帯責任ってやつね。
それを聞いて説明しようと思いましたが、
待て待て。
確かに息子の言ってることは一理あるなぁ、
と思いました。

高校野球で不祥事があったら
関係ないチームメイトまで出場停止になる。
あれ、説明できないわ。
私も同じような指導を受けていたはずなのに
あまり疑問に思ったことはなかったな。

なので、息子には
「そうだね、それは納得いかないね」
と答えました。

その話はすっかり忘れていたのですが、
2年生で持ち上がりでその先生になった時、
また家庭訪問で
「何か気になることはありますか?」
と聞かれたので、
ふとそのことを思い出し、話してみました。

先生が「う〜〜ん」と
考え込んでしまったので
慌てて、
「先生を非難するわけではないんですけど、
親としても説明できなくて」
(モンスターペアレントと思われても敵わん、
と思いました)
と言うと、
先生は真剣な顔をして、
「多分、運動会の練習の時のことですね。
ちょっと持ち帰らせてください」
と言って帰られました。

その後どのような対応があったのかは
わかりません。
でも、
ちゃんと子どもの言葉を受け止めてくださる
姿勢が嬉しかったです。

若いから経験は浅いかもしれないけど
熱意と真摯なところがある先生でした。
今思うと他にもいい先生に
たくさん当たりました。
本当にラッキーだったんだなぁ。

そして、これが息子が
初めてちゃんと意見したこと(体制批判?)
だったように思います。