昔は本当に諦めグセがついているくらい、すっぱりと諦めていた宮澤崇史です。

 

諦めること。

特にヒルクライムをイメージしてもらえると、わかりやすいかもしれない。

集団で走っていて、特段にペースが上がったり、アタックがあったわけでもないけど、自分がキツさに我慢できなくなって遅れてしまう、あの光景だ。

レース中は勿論のこと、トレーニングでもそういった状況を毎回経験している選手は少なくないだろう。

 

諦める時には、何かしらの諦めポイントがある。

いわゆるリミッターというやつだ。

このリミッターはいつも同じ場所で同じようにやってきて、「キツイ、キツイ、痛い、苦しい、あ、あ、もうついていけない、あ〜〜〜〜〜〜、ダメだ。。。」といった具合に脳内を駆け巡り、千切れていく。

これが毎回毎回、同じように、同じようなタイミングで襲いかかってくるわけだ。

そしてリミッターは中々上がらず、諦めグセがついてきて、諦めの悪循環に入り込んでいってしまう。

 

これはなんとかしないとな〜

 

と、選手の時に何か方法がないかと考えに考え、一つだけ諦めない方法を見つけた。

レースで言うところのスティッキーボトルだ。

いわゆる、選手を少しでも楽に集団復帰させてあげるために、監督がボトルを選手に車から渡す時にアクセルを踏んでボトルにつかまらせてあげるやつです。

車かバイクが帯同しないと難しいのだけど、上りで選手が遅れ始めたら、2〜3秒で集団復帰させてあげることを繰り返す。

ただし、「条件は選手が走る事を諦めていないか?」という点。

諦めグセを直すために、諦めさせていては本末転倒なので、諦めない選手のみ対応することにしている。

 

 

僕も一日のレースなら全力で走れるのが、二日間となると途端にパフォーマンスが下がってしまう。

それを乗り越えたのが、この方法だった。

上りだけではなく、上りながらアップダウンが続くタイ合宿では、幸也についていくのが一苦労だった。

上りの中間にあるアップダウンも、先頭交代しながらお互いに高め合うことができるのならば、上り序盤で遅れることは自分にとっても幸也にとってもマイナスでしかないとわかっていた。

ならば、上りで切れずにその後も攻める走りができればお互いにwin winなのでは?

ということに気付いたことがきっかけだ。

常に諦めず、前を向いて攻め続けることによって諦める壁を超えたのだ。

 

もしサポートがないのなら、パワーメーターを見ながら先行して追いつかれればいい。

頭を使って力の差を上手く使い、諦めポイントを乗り越えられれば、必ず先に次の世界が待っている。

チームカーに捕まる事を恥ずかしいと思わなくていい。

トレーニングは、どれだけそういった恥ずかしい場所をさらけ出せるかが大事なのだ。

そして、それを乗り越えるために毎日毎日、自分の弱い場所を克服しながら、強みを生かすところまで考えられれば、レースには必ず勝てるようになる。