広州についたのは、ツールド沖縄が終って3日後の18日。
レースまでは中3日でコンディショニングするタイトな状況だった。
しかも、沖縄で今回チームメイトとして走る真理さんが落車してしまい、
ダンシングするのもキツイ状態。。
今回Team Japan専用のマルチサポートセンターがあり、
参加している日本人選手全員がコンディショニングの為に使えるのだ。
その中でも高圧酸素カプセルで、リラックス出来たことがとても良かった。
実はレース2日前、練習中に道路のガソリンで落車してしまい、神頼みのような気持ちだった。

さて
レースは180km、各国2名の参加でトータル40名ほど。
優勝候補はカザフスタン:イグリンスキー兄弟、ウズベキスタン:ラグティン、
韓国:パク、前回優勝の香港:ワンカンポ、アジア選手権を勝ったイラン:ソハラビ
周回コースは1周20kmのコースを9周。島をグルっと回る周回で、
途中、中へ入って小さな周回を回ってまた外の島を回る道に出るコース。
平坦なコースで、アップダウンが数カ所3kmにわたって続く。

レースは韓国と台湾の2選手がスタートから逃げ、集団はアタック合戦が続きながら周回を重ねる。
今回、各国2人しかいないのでチームプレーらしい走りにも限界がある。
しかも走れる選手はわかっているので、潰し合いが続く。
日本チームとしては、有力どころが動いたら自分が動いて、
その後のケアや自分が乗りそこねた逃げを真理さんに潰してもらう。
自分もマークされているせいか、逃げに乗ると有力どころが踏むのをやめてしまう。

2人逃げが最大で3分の差を作るが、それを追いかけて3人が抜け出す。
この展開に有力どころはワンが入ったが、カザフ、ウズベキが乗れず
アタック合戦にも疲れてきたか 残り100kmからこの2国とキルギスが追いかける。
カザフはスプリントでもOKなのでゴールまでに捕まえれば、、
一方ウズベキは逃げたいので、最終的にはウズベキが動くであろう展開を予想しながら進む。


残り3周で3人が捕まり前は2人?とおもったら4人が捕まり、前は韓国1人。
残り2周、スタート&ゴールを通過してアップダウンに入った所でウズベキがアタック!
これで集団に又緊張感が出てきて、アタック合戦が続く、前は54秒。
残り1周に入る前で8人程の逃げが決まり、真理さんが入った。
後ろは牽制状態だったので、それ程マークのキツくない選手のアタックに反応して前を追う。
自分でアタックしているわけでは無いので、他の選手も追うのに足を使い、
前に追いついた時にフッとアタックが決まる空気に変わった。
前で抑えていた真理さんをパスしてアタック!

5人が抜け出し、残り1周と7km。
ラグティン、ワンカンポ、イラン:ハッサン、フィリピン、自分。
逃げは決まったが、ペースが上がらない。
レース前半からのアタックで疲労が襲う、自分はそれでも抑えて踏んでいたので足はある。
しかし、自分だけがペースを上げても足並みは揃わない。
逆に使われてしまう可能性のほうが高い。
ジレンマがあるがここはアジア大会、みんな勝ちたいのだ。

$BRAVO



アップダウンの区間に入り、風は向かい風。
後ろからパクが1人で追いついてきて、メイングループも30秒ほど後ろに見える。
最後の上りでワンカンポがアタック!ヤバイ!
彼を1人でいかせると後が厄介だ、反応して2人で逃げる。
しかし、何故かペースが上がらない。と、ワンカンが再度アタック!
普通、2人の逃げでアタックするというのはほぼ無い。残り距離も15kmはある。
そんなことをしていると先程まで一緒だったウズベキが中国を連れて追いついてきた。
後ろは見えない、4人で交代しながら進む。
残り10km、後ろを警戒してなかったが、パクが1人で追いついてきた。
今日のパクとワンカンは気合が違う。

島を回る周回から中に入って、後はゴールだ。
レース前、最後の周回はこの小周回で回る所をショートカットする
(ジャパンカップの様な感じ)と聞いていたので、スプリントに備え始めたが、
今まで通り道を曲がる。

残り周回を間違えた?と思ったが、間違っていない。

と、後ろをみるとメイングループが迫っている。
逃げ切りでスプリントなら絶対に勝てると思っていたので、
慌てて先頭をペースを上げて引くが他の選手が続いてくれない。
残り1km、後ろの集団に追いつかれスプリントへ!
韓国がパクを連れて前へ上がるが、自分側はイグリンスキーが上がってきた。
後ろからきた選手の方が足があると思い、イグリンスキーをマーク。
残り200m最終コーナーで7番手、イグリンスキーが伸びない、
内をついてパクとワンカンのスプリントを追う。
しかし、惜しくも届かず3位でフィニッシュ。

レース後パクがスプリントでワンカンを邪魔した、ということで降格。
繰上げで2位になった。


何がなんでも勝つんだ!というワンカンの気迫に押された気がした。
金メダルをなんとしても取りたかったが、今回は銀メダル。
長かったシーズンもこれにて終了。

これまでお世話になったスポンサー、高橋監督、鬼原メカ、石田、柳マッサー、
そして、1年間共にがんばってきたNIPPOのメンバーに感謝の気持ちを
この場を借りて書かせていただきたいと思います。
来年はマジで自分の自転車人生の集大成のつもりで走ろうと思ってます。
柳さんにも、後3年は伸びるね!
と、嬉しいお言葉を言っていただきました。
自分でもまだまだやるべき事があるので、ちょうど良い目標が出来ました。


2010年、沢山の方々に応援していただき支えて頂いた方々に、
2011年ももっと期待していただける選手になれるように頑張ります!
ありがとうございました。           宮澤崇史
$BRAVO