読了【 江口 克彦氏著 松下幸之助 散策・哲学の庭 単行本 – 1999/4 】 | 宮沢たかひと Powered by Ameba

粋な本でした。

 

松下幸之助氏の愛した、真々庵という美しい日本庭園の写真をちりばめ、その合間に庭のあり様から導かれる松下幸之助氏の哲学を披露するという、きわめてセンスの良い書籍でした。江口克彦氏の高い才能を感じます。

 

引用:『自然の理法は、いっさいのものを生成発展させる力をもっておるんや。素直な心になって自然の理法に従っておれば、うまくいく、成功するようになっておる。』(p78)

 

私は今、渓流釣りにはまっていますが、大自然の中で一日中水面を見ながら釣りに集中していると、頭の中に様々な考えが浮かんでは消え、徐々に整理され、思考が洗練されて行くのを感じます。古来、日本の哲学は自然の中から生まれてきたことを再認識しました。

 

引用:『いろいろな人がいて、いろいろなことを考えて、いろいろなことをして、だからいいわけやな。個性とかその人のもって生まれた特質とか、誰一人同じ人はおらんわな。それがいわば自然の姿というものやな。百花繚乱という言葉があるやろ。』(p95-96)

 

引用:『けど個性というものは、もともとひとつの、まあ、いわば拘束というものがないと発揮できんのや。非常に矛盾したことを言うようやけど、個性は拘束なくしてありえない、そういうことや。・・・その、個々の球を一本の糸が通っておるから、それではじめて首飾りになるんやろ。その糸が、会社でいえば経営方針であり、基本理念であり、ということになるんや』(p97)

 

以上の記述は、企業、政党、病院等の組織におけるガバナンスの本質をついていると思います。

 

読了後、清々しい気分になれました。(^^)

 

 

松下幸之助 散策・哲学の庭 単行本 – 1999/4

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